1997 Fiscal Year Annual Research Report
低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病の遺伝子の解析と蛋白機能の解析
Project/Area Number |
08877157
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清野 佳紀 岡山大学, 医学部, 教授 (80028620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 勝 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (20253023)
田中 弘之 岡山大学, 医学部, 講師 (80231413)
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Keywords | 家族性低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病 / Hyp / PEX / EBウィルス / RT-PCR |
Research Abstract |
家族性低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病(XLH)の病因に深く関与すると考えられるPEX遺伝子産物の機能を明らかにするために、日本人患者における変異の同定を行うとともに、本疾患のモデル動物であるHypマウスを用いて遺伝子発現を検討した。現在までに20家系のXLHでEBウィルスを用いて株化患者リンパ球を作成保存している。この細胞株よりRNAを抽出し、RT-PCR法にてcDNAを増幅、cDNAの塩基配列を決定した。この結果、日本人の患者でもほとんど全ての例でPEXの変異が認められること、変異部位は広範囲に分布しておりホットスポットはみいだしえないことが明らかとなった。想定される蛋白構造と機能の関連付けを今後行っていく予定である。一方、マウスにおける検討では1)発現の中心は骨であること2)骨における発現は離乳期を境に減少すること3)骨髄など造血組織にも遺伝子発現が見られることが明らかとなり、さらにHypの表現形質の一部は骨髄移植で正常PEXを導入することによって改善することを見出した。このことは本疾患の遺伝子レベルでの治療が骨髄移植で可能であることを意味するのみならず、XLHの原因がPEX遺伝子産物の異常であることを逆の方向から改めて証明したことを意味する。 PEX産物の強制発現系は困難を極めているが、リン輸送担体の発現調節系を用いた機能評価システムを開発しPEX産物の発現系を今後樹立していく予定である。
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