1998 Fiscal Year Annual Research Report
p53欠損肺癌増殖制御のWAF1誘導のためのWAF-1プロモーター領域解析の試み
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08877194
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
戸田 省吾 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80201656)
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Keywords | 癌の遺伝子調節化学療法 / p53 / WAF1 / SP1 / 酪酸 |
Research Abstract |
p53の標的遺伝子であり細胞増殖を負に調節する作用を持つWAF1遺伝子を転写の段階で活性化させる薬剤、主として酪酸を主に用いて実験を進めて来た.すでにSP1エレメントがWAF1遺伝子プロモーター特異的な活性中心でありかつ酪酸に反応するエレメントであることを確認していた.さらにこの部位はTGF-βによっても活性化されることが明らかになりそのプロモーター内での重要性が示される一方で、ゲルシフトアッセイで実際にsp1.sp3がこのエレメントに結合することが示された.しかしながら、酪酸処理によるバンドパターンへの影響はみられず,少なくとも、DNA結合性の調節によって転写調節しているのではないことが確認された.ここで更に、酪酸のデアセチレラーゼ阻害能に注目し、より特異的なデアセチレラーゼ阻害剤であるトリコスタチンA(TSA)を処理し,Sp1部位を介してTSAはWAF1遺伝子を活性化した.このことよりアセチル化が、このSp1部位を介して特異的にWAF1を活性化する可能性が示された.そしてWAF1遺伝子プロモーター活性がアセチル化で増強される塩基配列がやはりsp1サイトであるwaf1プロモーターの-82と-69にあることが骨肉腫の細胞株MG63を用いた実験系で確認された.以上のことが同一の指導者の元で平行して行われた実験で得られた知見であるが、肺癌の細胞株では同様の結果を得ることができず,本年度を終了した.
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