1996 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌患者の循環血液中における超微量癌細胞の検出系の確立
Project/Area Number |
08877216
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉尾 賢二 九州大学, 医学部, 助手 (70235927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 千衣 九州大学, 医学部, 医員
塚本 修一 九州大学, 医学部, 医員
坂田 敬 九州大学, 医学部, 医員
織田 信弥 九州大学, 医学部, 医員
籐 也寸志 九州大学, 医学部, 助手 (20217459)
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Keywords | 肺癌 / 微小転移 / サイトケラチン / がん遺伝子 / がん抑制遺伝子 / 遺伝子診断 / ras / 骨髄 |
Research Abstract |
1.抗サイトケラチン(CK)抗体による免疫組織学的微小リンパ節転移診断 リンパ節転移陰性とされた第I期肺癌症例のリンパ節を抗サイトケラチン(KC2)抗体にて免疫組織化学的に検討したところ、約70%にCK染色陽性細胞を認めた。CK陰性症例の再発率が8%に対し、CK陽性症例では39%と高率であり、微小リンパ節転移の検出が、再発の指標として有用であることが示唆された。 2.血液中の微量癌細胞の検出 本年度、原発性肺癌切除症例49例から末梢血、肺静脈血、骨髄液を採取し、各々より有核球を比重分離法にて分離した。まず、これらの検体を対象に、抗サイトケラチン抗体(CK2)を一次抗体に用いて、免疫組織化学的(APAAP法)にCK陽性細胞の検出を行い、一部の骨髄液、肺静脈血に、CK陽性細胞を認めた。 3.遺伝子変異の解析 極めて微量の細胞からK-ras遺伝子変異を検出する系を、mismatched primerを用いたPCR-based designed RFLP法にてすでに確立しており、さらに、正常細胞中の癌細胞の検出を少なくとも1:10^4の比率で検出できることを確認した。 今後、循環血液中(末梢血、肺静脈血、骨髄液)の微量癌細胞を、遺伝子変異を指標に、より高感度に検出するため、抗サイトケラチン抗体によるImmunomagnetic beadsによる系を推進する予定である。
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