1996 Fiscal Year Annual Research Report
in vivoにおける生体内局所ラジカル消去能の画像化に関する研究
Project/Area Number |
08877218
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
嘉山 孝正 山形大学, 医学部, 教授 (50142972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 雅央 山形大学, 医学部, 助手 (00281618)
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Keywords | ESR-CT / 脳虚血 / C-PROXYL / フリーラジカル |
Research Abstract |
1 実験方法 200g Wistarラットを用いて左中大脳動脈領域の脳虚血モデルを作成した。虚血時間は2,4,8時間とし、各時間経過後再潅流を行った。画像試薬は0.3MのC-PROXYLを用い再潅流直前に3ml腹腔内投与して血中濃度が最高となる20分後にESR-CTの撮影を開始した。ESR-CTは空芯型L-band ESR(0.7gHz),gradient coils(Yonezawa Electric Wire Co.Ltd.)、及びワークステーション(Concurrent Computer Corporation,5450,MS,USA)より構築されたものを使用した。 撮影後速やかに脳を摘出し、ヘマトキシリン-エオジン染色による冠状断の組織標本を作成し同部位における冠状断の画像所見と比較した。また4時間虚血ラットについてはC-PROXYL投与10分後より60分後まで5分間隔での連続撮影を行った。 2 結果 各脳虚血モデルの画像所見では脳内にC-PROXYLの取り込みが認められ、これは虚血時間の延長とともに増大を示した。描出部位はヘマトキシリン-エオジン染色にて認められた梗塞部位にほぼ一致していた。 連続撮影ではC-PROXYL投与10分後より60分後まで描出が認められ、その範囲は20分後に最大であったが、60分後にも20分後に近い範囲の描出が認められた。 3 考察 実験結果からESR-CT法にて脳虚血の病巣を捉えることが可能であった。 一方、これらの連続撮影の結果は局所におけるredox cycleを反映している可能性があるのではないかと考えられた。 以上、現時点におけるESR-CTは分解能の点では病巣描出に充分であると考えられた。また、現在のESR-CTにて局所におけるラジカル消去過程を観察する事が可能であると考えられた。
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Research Products
(1 results)