1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞活動の光学的計測による脳機能マッピングとその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
08877219
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平川 公義 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00010166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00228090)
高田 義章 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00216665)
神野 耕太郎 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40025630)
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Keywords | 光学的計測 / 脳血流 / 磁気共鳴装置 / 機能局在 |
Research Abstract |
生きたままの脳の神経細胞の膜電位活動を光学的信号に変換して、脳機能の活動を解析する方法は、光学的計測法と呼ばれる。本研究の究極的な目標は、この手法をもちいて、脳神経外科手術中におけるヒト大脳皮質からの微弱な内因性光学的変化を基にした脳の機能画像を得ることである。既に我々の施設ではPET(Ppositron Emission Tomography)による大脳機能マッピングや術中SEP(体性感覚誘発電位)やECoG(Electrocorticography)などの手法を用いて機能局在の術中評価を行ってきているが、空間解像能はまだ満足のいくものではない。本研究の初年度の目標は光学的計測法の技術の修得と動物実験における測定条件の最適化であった。測定には能血流をはじめとするいろいろなノイズの存在が予想された。したがってヒトにおける臨床応用に行う以前に、生体組織から如何に良い画像を得られるかの条件を動物実験により探索する必要があった。初年度においては、ラットの体性感覚誘発(髭刺激)による皮質感覚野での血流変化を光学的変化として捉え、各種条件の改良によって良好な画像を得ることができた。また上記の目標を達成するために、簡便にして確実な機械装置のセットアップを確立することを主眼として、実験モデルの割り付け、刺激条件の設定、また他の手法(動物実験用MRI)による機能画像との対比検討などに着手した。2年目の目標として、この光学的計測法を実際の手術室に導入するためのセッティングの準備にとりかかったが、機器の設置、コンピュータシステムの構築、測定条件等の将来解決すべき諸問題があり、今後さらに研究活動を続けていく予定である。
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