1996 Fiscal Year Annual Research Report
Cortical dysplasiaモデルマウス作出法の確立
Project/Area Number |
08877222
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
八田 稔久 島根医科大学, 医学部, 助手 (20238025)
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Keywords | cortical dysplasia / 細胞接着分子 / RGDペプチド / 大脳皮質 / 神経発生 / 子宮外発生法 / マウス |
Research Abstract |
Cortical dysplasiaを有するモデルマウスを再現性良く作成するための方法論を確立するために,以下の点に関して基礎的な研究を行った. RGDペプチドの高再現性および高効率での神経上皮細胞の移動阻害作用を得るためには,注入されたペプチドがマウス胎児終脳実質内への浸透が速やかに,かつ均一に起こる必要があると考えられた.そのために,(i)より高濃度のペプチド溶液の注入,(iii)脳室内に注入されたペプチドを脳実質内に速やかに移動させる方法の検討,(iii)より阻害活性の高いペプチドの設計が考えられたが,本年度は(i)および(ii)について検討した.高濃度のペプチド溶液の注入に関しては,これまでに用いている1mg/ml以上の濃度ではペプチドの沈殿が生じ注入操作に支障を来しため、実験実施上必ずしも最適な方法ではないと考えられた.そこで,ペプチドの胎児脳実質内への速やかな拡散を目的として,電気パルスを用いた実験系の確立を試みた.即ち,妊娠各時期の胎児頭部の抵抗の測定および胎児の発生に影響を与えずかつ効率よいペプチドの拡散が得られる電圧と電流の設定および用いる電極のサイズ,形状について検討し一定の所見を得た.拡散の程度を知るために,オリゴペプチドに比べはるかに巨大分子であるカーボン粒子およびビオチン標識lgGをマーカーとして用いて検討したところ,胎児頭部に電流を流した直後よりマーカーの脳実質内への拡散が観察された.しかしながら一定の電圧以上では脳実質内に出血が認められた.この点に関して更に詳細な条件設定が必要であると考えられた.
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