1997 Fiscal Year Annual Research Report
骨膜移植による関節軟骨のBiological resurfacingに関する研究-プロテオグリカンの軟骨分化促進作用について-
Project/Area Number |
08877236
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
蔡 詩岳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80183359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 淳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40234273)
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Keywords | Biological resurfacing / 軟骨修復 / プロテオグリカン |
Research Abstract |
我々は、自家骨膜移植による軟骨修復術をすでに臨床応用しているが、本法での問題点は、ヒトにおいて新たに軟骨組織が誘導されるまでに6カ月〜1年間と長期間を要することである。そこで、軟骨分化に重要な役割を担っているプロテオグリカンで骨膜を前処理することにより、骨膜の未分化細胞から軟骨組織への分化を捉進させ得るか否かについて、以下の検討を行った。 1.家兎の脛骨より5×10cmの骨膜を採取し、プロテオグリカン溶液に10分間浸した後に二つ折りにして膝関節腔内に移植した。移植後1〜5日まで、プロテオグリカン溶液を膝関節腔内に毎日1回注入した。 2.移植後3週まで、移植骨膜からの修復組織を継時的に採取し、組織学的ならびに免疫組織学的に検討した。その結果、移植後10日では、未分化細胞から誘導された軟骨細胞の数はプロテオグリカン処置により軽度の増加が認められた。また、軟骨細胞より合成される細胞外基質のII型コラーゲンもわずかながら増加していた。この傾向は、移植後3週まで同様であったが、軟骨細胞の出現時期については、プロテオグリカン未処置群と明らかな差異は認めなかった。 以上のことから、移植した骨膜が軟骨組織へ分化する初期の段階において、プロテオグリカンを外因性に投与するとある程度は対照群より良好な軟骨組織への分化が観察されたが、本実験系では軟骨組織への分化を早めることはできないことが判明した。
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