1996 Fiscal Year Annual Research Report
抗接着分子抗体を用いた副鼻腔炎に対するエアロゾル療法
Project/Area Number |
08877261
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
古田 茂 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (80128454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松根 彰志 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00253899)
福田 勝則 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90156779)
花牟礼 豊 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (40145496)
佐藤 強志 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (90136888)
野井倉 武憲 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40102561)
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Keywords | 副鼻腔炎粘膜 / リンパ濾胞形成 / 接触分子 / インフルエンザ菌 / P6膜蛋白 / PCR / エアロゾル / 実験的副鼻腔炎 |
Research Abstract |
(1)ヒト副鼻腔炎例における手術時の摘出粘膜標本より、炎症粘膜におけるリンパ球の浸潤やその濾胞形成、免疫グロブリンの産生、さらには濾胞形成部位における線毛上皮細胞の形態変化について、さらに、これらの炎症局所での細胞浸潤には、抗原提示細胞や血管内皮細胞の高内皮細胞化とICAM,VCAM等細胞接着分子の役割が重要であることが免疫組織学的に確認できた。 (2)副鼻腔炎の起炎菌としてのインフルエンザ菌の重要性は以前から指摘されているが、副鼻部腔炎貯留液の通常の細菌検査、およびインフルエンザ菌膜蛋白P6DNAのPCR法による検索との比較により、通常菌検査陽性例のさらに3倍の頻度でインフルエンザ菌感染が副鼻腔炎において認められることがわかった。 (3)副鼻腔炎における鼻ネブライザー療法において、エアロゾル粒子が副鼻腔内に良好に到達するためには。鼻茸の摘出、粘膜収縮剤の使用等中鼻道への十分な処置が大切であること、ネブライザー中の嚥下運動が有効であること、鼻アレルギー合併例では温熱エアロゾルの先行が有効であることが確認できた。 (4)この間、実験的副鼻腔炎家兎の作製を開始したが、細菌実験室の空調の不調と、菌体の入手の遅れによりまだ未完成である。 (5)論文発表 鶴丸浩士:慢性副鼻腔炎における上顎洞粘膜のリンパ濾胞形成について.日耳鼻99(11):1662-1675、1996. 宮之原郁代:副鼻腔炎治療における貯留液排除の有用性に関する研究 -YAMIK副鼻腔炎治療用カテーテルを用いた臨床的・細菌学的検討-.耳鼻展(in press). 松根彰志、佐藤強志、古田 茂、大山 勝、野井倉武憲:エアロゾル粒子の副鼻腔への良好な到達のために-保存的方法-.耳鼻展(in press).
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