1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877263
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
黒田 嘉紀 産業医科大学, 医学部, 講師 (50234620)
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / p53癌抑制遺伝子 / c-erbB-2癌遺伝子 |
Research Abstract |
唾液腺多形腺腫と唾液腺悪性腫瘍の発生に関する遺伝子変異(p53癌抑制遺伝子、c-erbB-2癌遺伝子など)及びウイルスの関与について、免疫染色法ならびにPCR法とin situハイブリダイゼーション法を使用し検討した。 方法 1、唾液腺多形腫腺と唾液腺悪性腫瘍をp53モノクロナール抗体とc-erbB-2モノクロナール抗体を使用しABC法を使用し、免疫染色した。2、1の組織についてp53のエクソン5領域をPCR法を用いて増幅し、シーケンス法にてp53癌遺伝子変異を検出した。3、1の組織についてHPVに特異的なプローブを使用し、唾液腺多形腫及び唾液腺悪性腫瘍の発生にHPVが如何に関与しているかを、in situハイブリダイゼーション法で検討した。 結果 1、多形腺腫はc-erbB-2モノクロナール抗体で染色されなかったが、悪性腫瘍は両抗体で染色されるものが見られた。また多形腺腫の一部にはp53モノクロナール抗体で染色されるものが見られた。特に多形腺腫内癌が両抗体で強く染色され、多形腺腫内癌の多形腺腫部分にもp53とc-erbB-2モノクロナール抗体で染色されるものが見られた。2、PCR法でp53癌抑制遺伝子変異(エクソン5)が唾液腺悪性腫瘍に見られたが、唾液腺多形腺腫にはp53癌抑制遺伝子変異は見られなかった。3、唾液腺多形腺腫・唾液腺悪性腫瘍組織にin situハイブリダイゼーション法によってHPVの関与を示唆する結果は得られなかった。この結果より唾液腺悪性腫瘍の発生にp53癌抑制遺伝子とc-erbB-2癌遺伝子の関与が考えられたが、多形腺腫の発生に関与する遺伝子変異は検出されなかった。
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Research Products
(1 results)