1996 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル芽細胞におけるRNAフィンガープリンティング
Project/Area Number |
08877276
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
加藤 有三 長崎大学, 歯学部, 教授 (20014128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 英昭 長崎大学, 歯学部, 助教授 (40225769)
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Keywords | エナメル芽細胞 / ディフィレンシャル ディスプレー / PCR / mRNA |
Research Abstract |
ラット上顎切歯のエナメル芽細胞層を3等分して先端部(成熟期後期に相当)、中央部(成熟期前期の相当)および基底部(分泌期に相当)にわけて剥離し、そこからtotal RNAを調整した。このtotal RNAをテンプレートとして、下流アンカープライマー5'CCCT15V3'(TはdTTP,VはdATP,dGTTP,dCTPのいずれか)を用いた逆転写反応を行い、first strand cDNAを得た。次に、上流プライマーを添加してPCR(polymerase-chain reacrion)を行った。今回は上流プライマーとして、システインプロテアーゼ間で比較的良く保存されている活性部位付近のアミノ酸配列Crs-Gly-Ser-Cys-Trp-Ala-Pheのコドンを考慮した20merを用いた。得られたPCR産物をポリアクリルアミドゲルで展開し、3つのエナメル芽細胞分化段階(成熟期後期,成熟期前期および分泌期)で産生量の違いがみられるバンドを切り出し、遺伝子クローニング・シークエンスを行った。その結果、次のようなタンパク質をコードする遺伝子とホモロジーの高い遺伝子が単離できた。分泌期:ヘパリン結合増殖因子2(ホモロジー58%)、フィブーリン2(60%)、ウロキナーゼタイププラスミノーゲンアクチベータ-受容体(72%)、ad-1抗原(98%)、成熟期前期:チトクロームP450(76%)、膜コファクタータンパク質(66%)、成熟期後期:トランスフェリン(73%)、LIMタンパク質(80%)。現在、これらの遺伝子の発現をin situ hybridization法によって組織レベルで検討している。本年度は、当該研究でも用いる重要な手法であるIn situ hybridization法を用いた研究に関する発表を行った(Y.Miyazaki et al.(1996),F.Hashimoto et al.(1997 in press))。
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