1997 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル芽細胞におけるRNAフィンガーブリンティング
Project/Area Number |
08877276
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
加藤 有三 長崎大学, 歯学部, 教授 (20014128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 英昭 長崎大学, 歯学部, 助教授 (40225769)
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Keywords | エナメル芽細胞 / ディフィレッシャル ディスプレー / PCR / mRNA |
Research Abstract |
15-25週齢Wistar系ラット上顎切歯のエナメル芽細胞層を3分割に剥離し、歯胚側からそれぞれ基質形成期、成熟期前期、および成熟期後期とし、それぞれの細胞層からtotal RNAを回収した。下流アンカープライマーT15V(5´CCCT15V3´ VはA,G,Cのいずれか)を用いて逆転写反応を行いfirst strand cDNAを合成した。次いで、上流プライマー(20mer)を添加し、PCRを行った。PCR産物をポリアクリルアミドゲルで展開し、3つの細胞分化段階で産生量の違いが見られるバンドを切り出し、DNAの配列を決定した。現在までに、基質形成期:25クローン、成熟期前期:3クローン、および成熟期後期:9クローンの配列を決定した。基質形成期にアメロゲニンの遺伝子発現が認められたことは、この方法の信頼性を反映していると考えられた。配列を決定した遺伝子の中で興味深いものとして、次のような遺伝子とホモロジー(%)の高いクローンが挙げられる(昨年報告したもを除く)。基質形成期:カドヘリン関連腫瘍抑制遺伝子(69%)、タイプVIコラーゲン(82%)、ファーチリンα(72%)、グランザイムF(64%)、ゴリアスタンパク質(90%)、成熟期前期:プロテイン4.1(83%)、膜コート因子(66%)、成熟期後期:染色体分離タンパク質(91%)、M6P受容体(64%)、ERCC2(68%)。このうちゴリアスタンパク質のmRNAの発現をin situハイブリダイゼーションで確認し、成熟期エナメル芽細胞に豊富に存在していることを明らかにした。また、in situハイブリダイゼーション法を用い、フェリチンH,L鎖mRNAも基質形成期のエナメル芽細胞層に発現していることを明らかにした(Miyazaki et al.1998in press)。
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[Publications] Y.Miyazaki et al.: "Expression and localization of ferritin mRNA in ameloblasis of rat incisor" Archives of Oral Biology. (in press). (1998)
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[Publications] F.Hashimoto et al.: "Changes in expression of osteocalcin, Matrix Gla Protein and osteopontin mRNAs during experimental tooth movement in rats" Dentistry in Japan. 34(in press). (1998)
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[Publications] F.Hashimoto et al.: "Antigenicity of pro-Osteocalcin in hard tissue : the authencixity to visualise osteocalcin-producing cells" Journal of Bone and Mineral Metabolism. 15. 122-131 (1997)