1997 Fiscal Year Annual Research Report
メルケル細胞と口腔粘膜免疫機構の関連についての実験的検証
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08877283
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
立花 民子 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (10089386)
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Keywords | メルケル細胞 / 口蓋粘膜 / 齧歯類 / 免疫組織化学 / 免疫 |
Research Abstract |
前年度の研究において、スナネズミの口蓋粘膜には樹枝状の突起を有する、異型性のメルケル細胞が多数含まれることが判明した。そこで本年度は、1)これらの細胞の口蓋粘膜における分布状況とエイジングによる変化の検討、2)知覚神経によって支配される典型的なメルケル細胞との相違点の検討、3)この現象がスナネズミに特有なのかそれとも齧歯類一般の特徴なのかについての検討、4)免疫抑制が異型性メルケル細胞の出現率に影響を与えるか否かの検討を行った。得られた結果は以下の通りである。1)スナネズミでは性や年齢に関りなく硬口蓋後方部における異型性メルケル細胞の出現率が前方部に比べて有意に高いことが判明した。2)二重標識蛍光抗体法による共焦点レーザー顕微鏡観察により、異型性のメルケル細胞の大半は神経支配を受けていないことが判明し、さらに電顕観察により、異型性のメルケル細胞は典型的メルケル細胞が神経支配を失うことにより形態変化したものである可能性が示唆された。3)種々の神経ポリペプチド抗体や細胞骨格蛋白抗体をもちいた免疫組織化学の成績は、典型的なメルケル細胞と異型性メルケル細胞の間で大差なかった。4)ラットやハムスターの他、数種の野性種のネズミ類を観察した結果、齧歯類の口蓋では一般的にメルケル細胞の多形性が高く、多数の異型細胞が含まれることが判明した。5)シクロスポリン投与により実験的に免疫抑制を起こしたスナネズミと遺伝的免疫不全ラットについて口蓋粘膜を観察し、正常動物と比較したが、免疫不全がメルケル細胞の多形性や分布密度に影響を及ぼすという結論は得られなかった。
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Research Products
(1 results)