1996 Fiscal Year Annual Research Report
歯周疾患から観た多形核白血球の遺伝子レベルでの質的差の検索
Project/Area Number |
08877286
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松木 裕 新潟大学, 歯学部, 助手 (70242435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 義晴 新潟大学, 歯学部, 助手 (10236440)
|
Keywords | 歯周炎 / 多形核白血球 / 転写因子 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究は、生体防御の観点からみた個体差を歯周炎を研究の場として考えたものである。当初歯周炎になりやすい人となりにくい人で多形核白血球(PMN)において遺伝子発現レベルでの個体差を明らかにする目的で開始した。しかし、サブトラクトによる遺伝子の発現差(Differential Display法)をみるには大量の末梢血を採取せねばならずインフォームドコンセントの理由から現段階では難しいと判断した。現在は少量のサンプルからDifferential Display法の確立を目指して研究を進めている。歯周炎の進行に関して炎症性サイトカインの重要性は多く論じられているが、その発現をコントロールしている転写調節因子まで調べた研究は少ない。そこで本年度は、その手始めとして歯周病関連細菌Porphyromonas gingivalis LPS(P.g-LPS)刺激による多形核白血球での転写因子の動態と炎症性サイトカインのmRNA発現との関係を明らかにした。つまり、P.g-LPSの刺激によりPMN における各種転写因子(AP-1,NF-kB,Sp-1)の活性をGel Shift Mobility Assayにより検出した。炎症性サイトカインの転写に関与すると言われているAP-1,NF-kBはLPS刺激後30分で活性のピークを得た。炎症性サイトカインとしてIL-8のmRNA発現をRT-PCR及びRNase Protection Assayにより半定量した。その結果、60分後に発現のピークが得られた。P.g-LPSの刺激によりPMNにおけるAP-1,NF-kB活性が増強しIL-8の生合成を誘導しうることが示唆された。現在なお転写調節因子と炎症性サイトカインとの関係を多形核白血球をターゲットにし検索途中である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 杉田典子: "Characterization of CR1 and CR3 mRNA Expressions on polymorphonuclear Leukocytes in Gingietal Crevicular Fluid from Periodontitis-affected Patients" Archs oral Biology. (予定). (1997)
-
[Publications] 所文雄: "Relevance of local Th2-type cytokine mRNA expression in immunocompetent irrfiltrates in inflamed girgival tissue to periodontal diseases" Clin. Exp Immunol. 107. 166-174 (1997)