1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877289
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
栢 豪洋 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (10028764)
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Keywords | 細菌DNAに対する免疫応答 / Porphyromonas gingivalis / T細胞増殖 / HLA-DR拘束性 / LPS |
Research Abstract |
DNAに対する免疫応答は,自己免疫疾患などで見られる現象である。歯周組織の細菌感染にともなって細菌DNAに対する免疫応答が惹起され,自己DNAとも交差反応することで歯周組織破壊に関わる可能性を知ることを念頭に,本研究は歯周病細菌DNAに対する免疫応答が成立するかどうかを調べる目的で行い,下記の結果を得た。in vitroで生きたPorphyromonas gingivalis FDC 381菌体を貧食させた抹消血単球から抹消血T細胞へ抗原呈示させ,その応答性をbromodeoxyuridine取り込みによってT細胞増殖の面から調べた。応答性には被験者によって個体差が大きかったが,いずれの被験者においてもその応答性の95%以上はHLA-DR拘束性であった。これらの被験者の血清は,多くのP.gingivalisタンパク抗原に反応したが,そのパターンには個体差は見られなかった。また,生きた菌体のかわりに菌体を超音波破砕した抽出した抗原,それをproteinase Kで除タンパクした抗原およびhot phenol water抽出したlipopolysaccharide(LPS)を用いた場合,応答性の約50%は除タンパクした抗原にも見られたが,LPSに対する応答性は5%程度にとどまった。これらのことから,P.gingivalis生菌体に対するHLA-DR拘束性の免疫認識の50%近くがP.gingivalis DNAに対するものである可能性が示唆された。
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