1997 Fiscal Year Annual Research Report
Candida albicansの歯冠・歯根表面へのバイオフィルム形成
Project/Area Number |
08877293
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浜田 泰三 広島大学, 歯学部, 教授 (50034244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 宏 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60284212)
村田 比呂司 広島大学, 歯学部, 助手 (40229993)
二川 浩樹 広島大学, 歯学部, 助手 (10228140)
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Keywords | Candida albicans / Streptococcus mutans / hydroxylapatite / colonization / saliva / serum / cariogenicity |
Research Abstract |
最近,我々は,カンジダなどのデンチャープラーク微生物により,鉤歯やオーバーデンチャーの鉤歯の根面あるいは隣接歯のカリエスや根面カリエスが引き起こされる可能性を示唆した.しかしながら,現在までカンジダの歯表面に対する付着あるいは定着機構は明らかにされていない. したがって,本実験ではカンジダのハイドロキシアパタイト表面に対する定着能を,齲蝕原性があるとされるストレプトコッカスミュータンスと比較した結果,以下の知見を得た. 1.ハイドロキシアパタイトビーズに対し,カンジダはストレプトコッカスミュータンスと同等あるいはそれ以上の定着を示した. 2.カンジダのアパタイトビーズに対する定着は,血清タンパクの共存によって最も促進されたが,ストレプトコッカスミュータンスの定着は唾液存在下で最大値を示した.この結果は,両菌種の定着機序の違いを示唆すると同時に,臨床的には歯周病あるいは義歯性口内炎など口腔内に炎症がある場合,ストレプトコッカスミュータンスよりもむしろカンジダの定着が促進される可能性を示唆するものであり,臨床的意義は非常に大きい. 3.定着過程におけるカンジダによる酸産生に伴うpHの低下は,ストレプトコッカスミュータンスによるものよりも著しい低下を示した. 以上の結果より,カンジダにはストレプトコッカスミュータンス以上の齲蝕誘発性がある可能性が示唆された.
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