1996 Fiscal Year Annual Research Report
骨・インプラント界面に及ぼすアビスフォスフォネートの影響に関する組織
Project/Area Number |
08877295
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 文隆 九州大学, 歯学部, 講師 (30183453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 瑞穂 九州大学, 歯学部, 助手 (60253457)
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / チタンインプラント / 組織形態学 |
Research Abstract |
本研究の目的を達成するためにまずラット脛骨に埋入したハイドロキシアパタイト(HA)緻密体に対する骨組織反応を経時的に観察した。対照試料としたチタン(Ti)インプラントは経時的に徐々に骨組織に被覆されていくのに対し、HAインプラントは埋入初期からほぼ完全に骨組織に取り囲まれていた。組織形態学的には、HAインプラントの骨接触率は埋入初期から急上昇し、84日でプラトーに達した。これに対しTiインプラントは緩やかな増加を示した。骨標識法を使ってHAインプラント周囲における新生骨形成のパターンを経時的に観察した結果では、術後28日と比べ術後14日の標識が明瞭に観察された。これは術後14日の骨形成の活性の高さを示していると思われる。またHAインプラントの骨接触率の増加率が14日と比べて28日では低くなっていることから、骨標識法の所見を裏付けていると考えられた。この実験によって、TiインプラントとHAインプラントに対する骨組織反応の差が明らかになった。 この結果を受けてさらにTi/HAインプラント・骨組織界面の微細構造学的観察が可能になるように実験試料を製作した。直径1.0mm、長さ1.5mmの円筒形エポキシ樹脂試料を製作した後で、表面にHA粉末をサンドブラスト器で吹き付け被膜を形成した。また同様にTi粉末をエポキシ樹脂試料表面に吹き付けた実験試料を製作した。これらの製作した実験試料の表面をSEMで観察するとともに表面粗さを計測した。次年度はこれらの試料をラット脛骨に埋入し組織形態学的観察を行うと共に界面の微細構造を観察する予定である。
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