1997 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜機能化による歯冠補綴物の金属色改善に関する臨床的研究
Project/Area Number |
08877296
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
熱田 充 長崎大学, 歯学部, 教授 (60002135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 圭一 長崎大学, 歯学部附属病院, 講師 (70230729)
松村 英雄 長崎大学, 歯学部, 助教授 (40199857)
田中 卓男 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40113584)
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Keywords | 傾斜機能材料 / イオンミキシング法 / ゾルゲル法 / 金属色のオペーク / 歯冠補綴材料 |
Research Abstract |
本研究の目的は金合金やチタン合金などで作製した補綴物の外観にふれる部分を傾斜機能材料化して,歯冠色に酷似した色調に変え,その色調を口腔内で長期間維持できるよう耐久性を付与するためのものである。 前年度に各種歯科用合金を歯冠色に変える方法を3通りで行い,ゾルゲル法によるコーティングが最も有効であったので,今年度はこれに絞って検討し以下の結果を得た。 1)チタン合金の白色化 ゾルゲル法によるコーティングのうち,(1)チタン-シリカと(2)アルミナーシリカによるコーティング層がチタン合金を白色に変えることができた。(1)は金属色を完全に遮蔽することができたが,(2)はアルミナの量を増すと表面が脆く,粗ぞうになり金属色の完全な遮断はできなかった。 2)コーティング層の密着強さ(接着強度) (1)チタン-シリカ,(2)アルミナーシリカ共に直接チタンにコーティングした場合,密着強さは数MPaでしかなかった。しかしながら,チタンの表面にチタンカップリング剤を塗布してからコーティング層を生成させると,その密着強さは(1)が平均21.6MPa,(2)が9.0MPaと高い値を示した。両者とも試験後に凝集破壊を生じており,真の密着強さはこれを上回ると推察できる。 今後の予定としては,ゾルゲル法によるチタンカップリングに,イオンミキシングを追加して行うことにより,さらに強度が増すことが期待できる。課題としては,コーティング層が白過ぎる欠点があり,さらに組成を検討しより自然な歯冠色に近づける必要がある。
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