1996 Fiscal Year Annual Research Report
活動電位伝導速度の差違を利用した非観血的な咀嚼筋線維組成測定の試み
Project/Area Number |
08877307
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 亨至 東北大学, 歯学部・付属病院, 助手 (10205916)
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Keywords | 咀嚼筋 / 筋線維組成 / 顔面パターン / 活動電位速度 / 表面筋電図 / 咬筋 / バイオプシー / 非観血的 |
Research Abstract |
顔面骨格パターンの成立,矯正治療目標の設定,矯正治療後の予後などを評価するには,咀嚼筋の機能的解析が重要であることは周知の事実である.このうち,特に筋電図による筋機能,咀嚼リズム,咬合力などは咀嚼筋線維の組成,すなわち速筋(白筋)と遅筋(赤筋)の比率の相違を反映し,遺伝的に決定されていると考えられる.しかし,これまではバイオプシーなど観血的な処置を行わない限り筋線維組織を明らかにすることはできなかった.そこで本研究では,咀嚼筋の筋線維組成を悲観血的に測定するシステムを考案・視察し,他の機能的検査の結果や顎顔面パターンとの関連について明らかとすることを目的とした。筋線維組成測定の原理は,表面筋電図を応用して筋の活動電位伝導速度を測り,その速度が速筋線維と遅筋線維では異なることを利用して筋線維の組成を推定しようとするものである。 まず本研究では咀嚼筋測定用の小型の表面電極を開発する必要があった。測定は,被験者を安静位に保持し,新たに開発された表面電極を咬筋浅層の腹筋中央で筋線維に沿って表面電極を貼付し,誘発電位検査装置を用いて咬筋の活動電位速度の測定を試みた。被験者の姿勢や測定時の条件などについて測定精度や再現性などの点から,活動電位速度の測定手法の確立のための検討を行っている。また,得られたデータをパーソナル・コンピュータに転送し,データ処理方法についても検討中である。同時に,セファロ撮影等のデータ収集を開始している。さらに,顎矯正外科手術適用患者を対象として咬筋のバイオプシーを行うための準備を始めた。今後はデータの蓄積を行い,顎顔面パターンや顎機能等との関連性について検討する予定である。
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