1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877315
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本多 義昭 京都大学, 薬学部, 教授 (00093310)
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Keywords | シソ / Perilla / 花成ホルモン / 遺伝解析 / 日長感受性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日長感受性の異なる諸系統にそれぞれ早期発芽性を付与し、世代交代を促進して、花成ホルモン研究のための遺伝学的モデル実験植物群を育成することにある。本年度は以下に述べる実験を行なった。 実験1:早期発芽系統(No.8系統より選抜育種されたもの)と日長感受性の異なる、長日型(No.1866)、短日型(No.1,32,63など)、中間型(No.626)を苗床に播種、栽培温室で発芽させ、ついで長日条件(明:暗=16時間:8時間)下、人工気象器内で生育させた。本葉第2葉となった茎丈5〜7cmの段階(播種後約30日)で、短日条件下(明:暗=8時間:16時間)に移し、花芽誘導を行った。その結果、約2週間後に花芽誘導が観察され、その後10日から20日間の間交配を行いF1種子を得た。 実験2:収穫したF1種子を、a.収穫後早期(10日以内)に播種するもの、b.収穫後すぐに低温処理(5℃)をするもの、c.3ヵ月間低温(5℃)保存とにわけ、それぞれの早期発芽性と交配率とを検討した。その結果、aおよびbの条件下では早期に発芽するものは見られず、cの場合のみ発芽が見られた。またその場合の交配成功率もきわめて悪く、No.63×早期発芽系統由来のF1が1個体が得られたのみであった。ただし本F1植物については自家受精によりF2種子を得ることができた。以上の結果から、早期発芽性は休眠要求性に比べ劣性であると推察される。 本年度の実験で、短日処理し誘導された花穂に着く花数が圃場のものとははるかに少数であったため、得られた種子の数も少なく、遺伝解析等の以降の実験を進めることが出来なかった。来年度はそれぞれの実験をスケールアップして個体数を増やし、また圃場での比較栽培実験を行なって当初の計画を完遂したいと考えている。
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