1996 Fiscal Year Annual Research Report
チトクロームP450の生体内機能を直接的に証明する新しいアプローチ
Project/Area Number |
08877323
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐久間 勉 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (30250468)
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Keywords | トランスジェニックマウス / HITECマウス / CYP3A7 / 変異原性 |
Research Abstract |
従来チトクロームP450の機能は精製酵素や異種細胞発現系に発現させた酵素を用いて研究が行われてきた.しかし,生体内での機能を直接的に証明することは出来ずにいた.HITECマウスは九州大学の勝木らによって作出されたトランスジェニックマウスで,大腸菌で優性のストレプトマイシン感受性を伝達するrpsL遺伝子を導入されている.このマウスは体内で起こった遺伝子の損傷をrpsL遺伝子を含む染色体DNA断片を大腸菌に移し,大腸菌の表現系変化を指標として検出する事が出来る.そこで本研究ではヒト胎児特異的CYP3A7を導入したトランスジェニツクマウスとHITECマウスを交配することによってCYP3A7を発現するHITECマウスを作出し,CYP3A7の機能を生体内で証明することを目的とした.本年度はCYP3A7/HITECの作出を行った.CYP3A7マウスは発現部位の異なる2系統を用いた.遺伝子の導入はPCR法およびササンブロット法で確認し,rpsL遺伝子をヘテロで,CYP3A7遺伝子をホモで有するマウスを利用した.さらに作出したマウスにアフラトキシンB1(AFB1)をDMSOに懸濁して8mg/kgの用量で腹腔内に投与し,遺伝子損傷のレベルを解析した.本年度はまずCYP3A7の主な発現臓器である肝臓について検討を行った.その結果AFB1投与マウスにおいて4〜6倍の遺伝子損傷率の上昇が認められたがCYP3A7発現の影響は明確には認められなかった.これはマウス肝には導入したCYP3A7以外にAFB1活性化能を有するマウスのCyp3a11,Cyp3a13が発現しているためにCYP3A7の影響が明確に現れなかったものと考えられる.故に次年度はまず他の臓器についての検討する.
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Research Products
(1 results)