1997 Fiscal Year Annual Research Report
エンドペプチダーゼ組み合わせ法によるレセプターラベル部位の決定
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08877336
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)
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Keywords | エンドペプチダーゼ / 光親和性ラベル / アフィニティーゲル / レチノイド / レチノイン酸受容体 / 質量分析 / 結合部位 / フタルイミド |
Research Abstract |
前年度までのアジドダンシル系レチノイド受容体標識リガンドの合成成功と、これを用いての光標識及びその標識部位のエンドペプチダーゼ組み合わせ法による決定の成功に引き続き、より効率的な光標識並びにリガンドと直接相互作用する部位の標識を狙ってトリフルオロジアリジン系レチノイド受容体標識剤を設計し合成した。本剤を用いてレチノイド受容体を高い高率で特異的に標識することに成功した。本標識受容体を、エンドペプチダーゼ組み合わせ法にて解析しその標識部位を決定したところ、共有結合の形成がレチノイド受容体のヘリックス11のアミノ酸残基上にて生じていることを示すことができた。この結合位置の決定には、標識受容体から調製した修飾ペプチドフラグメントの質量分析を駆使し、本年度の目的とした、「質量分析との併用による結合部位決定の迅速化並びに得られる回答の確度の高度化」を達成することができた。加えて、今回決定した標識部位はレチノイド受容体のX線結晶解析の結果と照らし合わせて、リガンドが直接相互作用する部位であると考えられ、今回デザイン・合成した光親和性標識剤並びに本研究で確立しつつある手法が、リガンド-受容体相互作用の構造解析に威力を発揮するものであることを示すことができた。 本研究を更に拡充し、サリドマイド受容体及び発癌プロモーター受容体の探索並びに親和性標識に展開した。全段階として、親和性ゲルを作成し各々の受容体蛋白を探索したところ、いずれの場合にも候補となる複数の蛋白の存在を確認することができた。発癌プロモーター受容体候補蛋白については光親和性標識も成功した。これらの蛋白は、サリドマイドや発癌プロモーターの受容体としては新規と見られる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Azuma ら: "Photoaffinity labeling of tumor promoter-binding protein 〜" Biol.Pharm.Bull.20・1. 6-9 (1997)
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[Publications] T.Sasaki ら: "Photo affinity labeling of the ligand-interacting helix of the〜" Biol.Pharm.Bull.20・8. 913-916 (1997)
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[Publications] H.Miyachi ら: "Tumor necrosis factor-alpha production-inhibiting activity of〜" Bioorg.Med.Chem.5・11. 2095-2102 (1997)
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[Publications] T.Tashima ら: "Polyenylidene thiazolidine derivatives with retinoidal activities." Chem.Pharm.Bull.45・11. 1805-1813 (1997)
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[Publications] K.Tanaka ら: "A target of phosphatidylinositol 3,4,5-trisphosphate with a〜" Eur.J.Biochem.245・2. 512-519 (1997)
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[Publications] T.Sasaki, Y.Hashimoto: "Photoaffinity labeling of RARs and mapping of labeled sites by〜" Methods in Mol.Biol.(印刷中). 298-305 (1998)