1996 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者(80,90歳代)の運動能力及び精神活動能力の維持方法の解明
Project/Area Number |
08877341
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 順市 広島大学, 歯学部, 助教授 (10126584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 佳恵 広島大学, 歯学部, 助手 (00263707)
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Keywords | 体力テスト / 高齢者 / 精神活動能力 / 健康度評価 |
Research Abstract |
高齢者の場合,生理的な健康と心理的な健康の両者のバランスをとりながら維持していくことが重要である.我々は,平成8年度,高齢者(80・90歳代)の健康を維持させるためのプログラムを作成する目的で身体機能と精神機能の評価を行った. 身体機能評価として体力テストを実施した.てすと項目は筋力(握力,つまみ力,膝伸展筋力),手指巧緻動作(労働省職業適性検査の中から差し替え検査),平衡機能(開眼重心移動距離,開眼および閉眼片脚立ち),歩行能力(10m歩行の速度・所要時間),柔軟性(立位体前屈),立ち上がり台の高さ,エルゴメータの負荷検査の10種目を行った.精神機能評価はMini Mental Scale test(MMS)を用いた.さらに心理的な健康状態と志気を評価するために健康度自己評価とPGCモラールスケールを用いた. デイケアに参加する高齢者の中から80歳以上の男性5名(82〜95歳),女性21名(80歳代15名,90歳代6名)を対象とした.全員が日常生活が自立し,歩行は介助なし歩行であった. 体力テストの結果は握力,ピンチ力,膝伸展筋力,差し替え検査,片脚立ち,立位体前屈が年齢と負の相関を示した.年齢と正の相関を示した検査種目は10m歩行での歩数と所要時間,重心移動距離,立ち上がり台の高さであり,加齢による影響が表われていた。MMSの結果から80歳代は全例が20点以上であった.90歳代は6例中3例が20点以下であったため,90歳代が3名が健康度自己評価とPGCモラールスケールが可能であった.その結果,健康度自己評価は約6割が健康と答えた.PGCモラールスケールの結果は,今の生活に満足している人は9割占めるものの,「歳を取るにしたがって,だんだん悪くなって行く」と感じる人,「役にたたなくなった」と思う人が5割を占めた. 次年度は本年度得られたデータを元に身体機能と精神機能評価で低下を示した例に対して運動プログラムを設定し,そのプログラムの効果判定を行う予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 藤村昌彦,清水順市,奈良勲 他: "ディケアにおける高齢者の評価" 生理学療法ジャーナル. 30巻5号. (1997)
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[Publications] 清水順市 他: "ディケアに通う老人の健康度自己評価と志気および身体運動能力" 作業療法. 16巻(特別号). (1997)