1996 Fiscal Year Annual Research Report
任意の細胞に特異的遺伝子導入するための組換えレトロウイルスベクター産生系の確立
Project/Area Number |
08877347
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
鈴木 聡 日本医科大学, 医学部, 助手 (70246940)
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Keywords | 遺伝子治療 / レトロウイルスベクター |
Research Abstract |
任意の細胞に遺伝子を導入するための、Targeting vectorを開発するためにHIVのEnvelope protein gp120と、CD4を利用したモデルの作製を進めた。 まずEcotropic virusのEnverope protein gp70に種々のサイズのCD4を組み込んだ発現ベクターを作製した。Ecotopic retoro virus packaging cell lineに各々の発現ベクターをtransfectionし細胞表面でのキメラenvelopeの発現を検討した。4種類の発現ベクターを検討したが、細胞表面上に発現しているのはfull lengthのCD4をtruncationさせgp120とのBinding domeinを残したものだけであった。他の発現ベクターの物は、cytosolでは発現が認められ細胞表面上での発現までの過程に障害がある事が示唆された。さらにHela細胞にこのtruncateさせたCD4を組み込んだキメラenvelopeを発現させたところHIVの感染が認められこのCD4分子がgp120とのbindingに十分な事が示された。標識遺伝子としてlac Z遺伝子を組み込んだecotropic retrovirus vector産生細胞株を樹立し、さらにCD4とのキメラeco.envelopeを発現する細胞をクローニングした。まずこの培養上清をReconbinant gp120がcoatingしてあるplateでELISAを行ったところ培養上清には、gp120と結合するウイルス粒子が存在する事が示唆された。さらに、gp120発現ベクターにより細胞表面にHIVのgp120を発現させた細胞にこの培養上清を用いて遺伝子導入実験を行ったが、期待されるような遺伝子導入は、認められなかった。同じ条件下でベクター粒子の標的細胞へのbindingを検討したところ細胞表面上でのbindingは認められた。現在、これらの結果を詳細に検討しており有効なtargeting vectorの開発に向けて研究を進めて行きたい。
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