1996 Fiscal Year Annual Research Report
ANP分解酵素と変換酵素阻害作用を併用するハイブリッド型降圧薬の開発に関する研究
Project/Area Number |
08877348
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 進 東北大学, 薬学部, 教授 (80004604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草場 美津江 東北大学, 薬学部, 助手 (50175311)
比佐 博彰 東北大学, 薬学部, 助教授 (60192712)
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Keywords | 抗高血圧薬 / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / レニン-アンジオテンシン系 / アンジオテンシン変換酵素 / 高血圧自然発症ラット / 尿生成 |
Research Abstract |
1.無麻酔高血圧モデルラットにおけるBMS-182657の降圧利尿効果の検討 (1)目的 高血圧自然発症ラット(SHR)、DOCA-食塩負荷高血圧(DOCA)ラットおよび正常血圧Wister Kyoto(WKY)ラットを用いて、新規ANP分解酵素・アンジオテンシン変換酵素阻害薬BMS-182657の抗高血圧薬としての作用様式の特徴を検討した。 (2)方法 頸動脈、頸静脈および膀胱内へカニューレを留置した動物標本を作成し、無麻酔下にボールマンケージに固定した。BMS-182657(15mg/kg bolus+15mg/kg/h infusion)とそのvehicleの静脈内投与による全身血行動態(血圧、心拍数)および尿生成(尿量、尿中電解質排泄量)の経時的変化を動物群間で比較した。実験期間中、定期的に尿を採取し、血行動態パラメータをデータコンバータ(Maclab)を介して解析用コンピュータ(Apple Perhorma5320)に折り込み記憶した。 (3)結果 BMS-182657はいずれの動物群においても全身血圧を下降させたが、その効力はWKYラットおりもSHRおよびDOCAラットで大きく発現した。DOCAラットではBMS-182657の投与時間に依存して血圧が下降したのに対し、SHRでは投与中に血圧の回復傾向が観察された。WKYラットでは降圧反応に伴い反射性に心拍数が増加したが、SHRおよびDOCAラットにおける心拍数の変化はごく僅かであった。BMS-182657は何れの動物群においても尿中ナトリウム排泄量を増大させたが、SHRではvehicle自体の反応と差異が認められなかった。尿量はDOCAラットにおいてのみ増大した。 今後の研究の展開 (1)血行動態・尿生成のパラメータに加え、内因性生理活性物質の変動を解析することにより、各種薬物に対する高血圧モデルの動物間の反応の相異が何に起因するかを解析する。 薬物の交感神経系への影響を統括的に捉えることを目的とし、血行動態ならびに内因性物質特にカテコールアミン類の変動と、高感度増幅器を用いた腎神経活性の同時計測に関する基礎的検討を行う。
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