1997 Fiscal Year Annual Research Report
定量的PCR法による黄色ブドウ球菌の薬剤耐性度の検討
Project/Area Number |
08877353
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木戸 隆宏 京都大学, 医療技術短期大学部, 助手 (60234308)
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Keywords | PCR / 薬剤耐性 / インターカレーション / RT-PCR / RNA定量 / MRSA / MIC |
Research Abstract |
多剤耐性菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の耐性機序に関与すると言われるタンパク質PBP-2'をコードするmecA遺伝子RNAを精度良く定量分析し、薬剤耐性度(MIC)との関係を明らかにする目的で以下の検討を行った。 1.RNA抽出条件の検討 黄色ブドウ球菌の溶菌はリゾスタフィンによる前処理でより効果的になった。従来法であるプロテイナーゼK/SDS法に代わる磁気ビーズによる吸着法は操作も簡便で収量も満足すべきものであった。しかし、回収サンプルへのDNAの持ち込みが多かった。これは、黄色ブドウ球菌の遺伝子DNAが環状構造をとっているためと考えられた。逆転写反応からcDNAの増幅(RT-PCR)によるRNAの定量のために、この持ち込みDNAの除去について検討した。デオキシヌクレアーゼ処理では効果が認められなかったが、フェノール/クロロホルム処理で完全に持ち込みDNAを除去することが出来た。これらの方法により、処理時間を従来の約半分に短縮することができ、臨床検査に必須である多検体処理に適応可能と考えられた。 2.逆転写反応およびインターカレーションモニタリング(IM)-PCR法の至適条件の検討 IM-PCRの反応条件はプライマーの配列によって、ブランク値の高低を含めて微妙に異なり、多分に試行錯誤的ではあったが、種々検討した結果、低ブランク値の条件を設計することが可能となった。 3.薬剤耐性因子RNA発現量の測定 mecAをはじめ現在知られている薬剤耐性に関与すると言われるいくつかの遺伝子RNA発現量を測定した。発現量は株によって異なり、一定なものではなかった。 以上のことから、これらのRNAを定量することによって、薬剤耐性の新たな指標をつくることが可能であると示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 木戸 隆宏: "臨床検査におけるDNA診断" 蛋白質核酸酵素. 41. 2484-2490 (1996)
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[Publications] 木戸 隆宏: "実践臨床検査医学(大久保昭行,中井利昭,渡辺清明 編)" 文光堂(印刷中), (1998)