1996 Fiscal Year Annual Research Report
シクロデキストリン使用によるコレステロールエステルrich LDLの分離と検出
Project/Area Number |
08877354
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
一村 光子 岡山大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (40203111)
|
Keywords | アポリポタンパクB / シクロデキストリン / アガロースゲル / 等電点電気泳動 |
Research Abstract |
1,疫学調査の結果から、動脈硬化症と高コレステロール血症との間に正の相関が報告されて以来、コレステロールを多量に含有するリポ蛋白(LDL)のうち、マクロファージを泡沫化させる変性LDLの存在が注目されるに至った。 2,我々は本研究において、シクロデキストリンを使用した新しい発想によるLDLサブフラクションの分離法を考案し、変性を受けやすいとされる、コレステロール rich LDLの分離と検出のための基礎実験を行った。 3,リポ蛋白とシクロデキストリンとの複合体形成の実験から、LDLサブフラクション分離のためのシクロデキストリンの適正な使用条件を決定した。 4,次に、適正なシクロデキストリン量を使用した等電点電気泳動法によるLDLサブフラクションの分離法の実験に取り組み、分離条件を設定した。 5,シクロデキストリンを使用した分離条件設定の基、ヒト血清中のLDLを分離し、LDLの主要構成蛋白であるアポリポ蛋白の抗体を用いて、アポBリポ蛋白の検出を行った結果、5分画のアポBリポ蛋白を検出することができた。 6,以上本年度の実験結果から、LDLサブフラクションの分離に成功した。 7,従って、次年度の実験において、このサブフラクションのうちのどの分画が、変性を受けやすいコレステロール rich LDLであるのかを目的に実験を進めたい。
|