1998 Fiscal Year Annual Research Report
金被覆ミクロキャピラリーLC装着質量分析による癌特異ペプチドの超高感度構造決定
Project/Area Number |
08877356
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10247843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 章 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (00028581)
中川 俊正 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (30237226)
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Keywords | エレクトロスプレーイオン化質量分析法 / ナノスプレー手法 / 異常Hb症 / 神経変性疾患 / アダクト分子 / 固定化酵素 |
Research Abstract |
異常ヘモグロビン症、家族性筋萎縮性側索硬化症、家族性アミロイドポリニューロパチーなどの疾患は体液中に存在する疾患関連蛋白質(ヘモグロビン:Hb、銅/亜鉛スーパーオキサイドジスムターゼ、トランスサイレチン:TTR)の構造異常が起因する。それら構造変異蛋白を検出し同定することにより確定診断できる。昨年に引き続き、自家製ナノスプレーチップを連結させたエレクトロスプレーイオン化質量分析法を用い、更に固定化酵素を用いた微量サンプルでしかも迅速に検出・同定し得る分析システムを確立し、学内外よりの依頼分析を実施している。今回、新しく固定化酵素を用いて変異蛋白の同定を実施したが、この手法は、より微量蛋白質の構造解析にも応用可能と思われた。今年度は、異常Hb:5種類、変異TTR:3種類の変異を検出・同定した。それ以外に、新しい種々の翻訳後修飾分子を検出した。それら分子は、重要な代謝過程に関連している可能性もある。 翻訳後修飾蛋白質の構造解析:1)Hb:高分解能HPLCにて患者溶血サンプルを分取し、各分画をLC/ESIMSにて分析し、ホルミル化Hb(+28Da)及びC末端アミノ酸脱離Hb(desarginine:-156Da)を検出した。このような、修飾Hbは今までに報告例はない。2)TTR:健常者血清あるいは標品TTRを分析すると、正常遊離TTR分子以外に、種々のジスルフィド結合分子(システイン、システイニルグリシン及びグルタチオン)が検出されることを報告してきた。それ以外に、80Da大きいTTR分子及び46Da小さいTTR分子がそれぞれ検出された。+80DaTTR分子は、リン酸化TTRであるという報告があるが、DTT還元後、完全に消失してしまうことより、リン酸化分子とは考えにくく、ジスルフィド化合物と推察された。そこで、モリブデン補因子欠損(先天性サルファイト酸化酵素欠損)症候群乳児の血清を夕ンデムLC-LC/ESIMS法にてTTR分子を分離・分析し、その分子量転換スペクトルを解析すると、正常TTR分子(13758.4±1.0Da)以外に+80DaシフトしたTTRアダクト(13838.9±1.1Da).を検出した。この結果は、+80Daがサルファイト分子であるとする我々の結論を支持する重要な結果と考えている。また、上記方法にてTTR分子を精製し、ギ酸変性後、酵素消化し、MSMS分析し、そのCIDスペクトルより10番目Cys→Glyを同定した(プロテインシークエンサーにても確認)。-46DaTTR分子に関しては、これまでに報告はなくCys側鎖がInvivoで切断され、Glyに変化したものであると推察した。 今回得られた結果は、第46回米国質量分析学会(Orland,FL)その他国内外の学会で発表し、高い評価を受けた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.Miyazaki.Nakanishi T, Kishikawa M, Nakagawa T, Shimizu A, Mawjood AHM, Imai K, Aoki Y & Kikuchi M.: "Compound heterozygosity for b+-thalassemia-31(A->G) and a variant with low oxygan affinity,Hb Sagami [b139(H17)Asn->Thr]." Hemoglobin in press.
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[Publications] Saraswathi M, Nakanishi T,& Shimizu A.: "Relative quantification of glycated Cu-Zn superoxide dismutase in erythroytes by electrospray ionization mass spectrometry." Biochim.Biophys.Acta. 1426・2. 483-490 (1999)
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[Publications] Nakanishi T, Miyazaki A, Kishikawa M, Shimizu A, O.Kishida & K.Imai.: "A new hemoglobin variant found during Hb Alc measurement : Hb Hokusetsu〔β52(D3)Asp->Gly〕." Hemoglobin.22・1. 23-35 (1998)
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[Publications] Nakanishi T, Miyazaki A, Kishikawa M, Shimizu A, Aoki & Kikuchi M.: "Hb Sagami〔β139(H17)Asn->Thr〕,a new variant hemoglobin,not detected by isoelectrofocusing and isopropanol test,but detected by electrospray ionization mass spectrometry." J.Mass Spectrom.33・6. (1998)
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[Publications] Nakanishi T, Miyazaki A, Kishikawa M, Shimizu A, Aoki & Kikuchi M.: "Hb Sagami〔β139(H17)Asn->Thr〕,a new variant hemoglobin,not detected by isoelectrofocusing and isopropanol test,but detected by electrospray ionization mass spectrometry." J.Mass Spectrom.33・6. (1998)565-569
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[Publications] 中西豊文: "『生命科学のための最新電気泳動実験法』" 日本電気泳動学会(編集:中村和行) 医歯薬出版, 480 (1999)
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[Publications] Shimizu A., Nakanishi T., Kishikawa M.& Miyazaki A: "Advances in Mass Spectrometry (Vol 14)" Karjalainen EJ.,Hesso AE.,Jalonen JE.& Karjalainen UP.(Eds).Elsevier, 610 (1998)