1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877368
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
藤田 きみゑ 滋賀県立大学看護短期大学部, 看護学科, 教授 (70269728)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久美子 滋賀県立大学看護短期大学, 看護学科, 講師 (40259388)
|
Keywords | 気管支喘息 / 喫煙 / MMPI |
Research Abstract |
【対象および方法】喘息患者222名に心理テストMMPIを実施し、MMPI旧尺度10項目、新尺度11項目を測定した。同時に喘息患者の背景因子(年齢・IgE-RIST・好酸球・罹病期間)を調査し、さらに日本アレルギー学会喘息診断治療ガイドラインに従って軽症・中等症・重症の三群に重症度を決定し、さらに喫煙(smoker)、非喫煙(non-smoker)、前喫煙(Ex-smoker)の三群と男女間について喫煙状況に関するそれぞれの相関関係を調べた。同時に喫煙患者に対してはニコチン依存度(FTQ指数)を測定した。喫煙喘息患者に対しては、禁煙指導を始める前にスモ-カライザーにて呼気中CO濃度を測定し、禁煙指導前後のCO濃度の変動を禁煙および節煙が出来ているかどうかの参考値とした。さらに対照群として喫煙・非喫煙・前喫煙者を含む200名の健常者の心理テストMMPIも実施し、喘息患者と同様に旧尺度10項目、新尺度11項目を測定し、喫煙患者にはFTQ指数を測定した。 心理テスト記入の際、明らかに妥当性尺度が高値を示し、意識的あるいは無意識的な作意が認められた喘息患者症例のうち20名、健康対照群28名を省いた喘息群202名、健康対照群172名を対象とし、喫煙・非喫煙・前喫煙三群と男女間それぞれのMMPI21尺度を比較し、男女喫煙・非喫煙・前喫煙六群での心理的傾向を比較した。また喫煙患者に対しては個人面接を行いその心理的背景を検討し、禁煙指導を実施した。 【結果】男女間及び喘息重症度と喫煙・非喫煙・前喫煙との間には、喫煙状況に関する相関は認められなかった。また男女喫煙・男女前喫煙・男女非喫煙六群でのMMPI対比では男性喫煙群ではRe(Social Responsibility・社会的責任)が有意に低く、Pa(Paranoia・偏執性)で有意に高値を示した。また男性喫煙群と男性前喫煙群との比較では、Ma(Mania・軽躁性)やSi(Social Extroversion・社会的外向性)で喫煙群が有意に高値を示した。また女性喫煙群でもRe(社会的責任)が有意に低く、さらにCn(Control・統制)、Si(社会的外向性)で有意に高値を示した。また助成喫煙群および男性喫煙群は前喫煙群に較べてR(Repression・抑圧)、Sc(Schizophrenia・精神分裂)が有意に低値を示した。更に面接の結果でも、喫煙者に一定の心理的傾向を認めた。 これら結果を以下の学会で発表を行った。 1.PSYCHOLOGICAL STUDY ON SMOKING ASTHMATICS PATIENTS:XVTII.WORLD CONGRESS OF ASTHMOLOGY,24-27.April,1996,MONTPELLIER,FRANCE, 成人喘息患者の心理的背景-喘息と喫煙-:第46回日本アレルギー学会総会10/30-11/1,1996,宇都宮,栃木. 3.喘息と喫煙-喫煙喘息患者における禁煙指導-:第16回日本看護科学学会12/6-7,1996,東京. 平成8年度は以上のデーターを収集し報告を行った。平成9年度は更にデーターを収集し、また禁煙指導を継続して行い、さらにMMPI各尺度のTスコア化を行い論文投稿の予定である。
|