1996 Fiscal Year Annual Research Report
医食同源の栄養生化学的解明 -スパイシ-フードによる生体防御機能の亢進
Project/Area Number |
08878002
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
国松 己歳 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (70145746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 康彦 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50254280)
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Keywords | 生体防御 / トウガラシ / スパイス / 好中球 / chemotaxis / capsaicin |
Research Abstract |
健康人男子にラーメンやカレ-を食べてもらい、2-20時間後に採血し末梢血好中球のf-MLFに対する遊走能を位相差倒立顕微鏡下でビデオ撮影を行った。録画ビデオ60分間を1分間のコマ落とし技術法により末梢血好中球を観察すると激辛ラーメンを食べた後約10時間をピークに運動性の亢進が認められ、それは一過性の生体反応であった。なお激辛ラーメンの食後、2時間後、20時間後並びに辛くないラーメン、インド料理専門店のカレ-やカレ-専門店での辛いカレ-食後は顕著な好中球遊走活性亢進は認められなかった。このことから末梢血好中球の機能亢進を維持するには、一日に1度は激辛料理を食べることが必要と思われた。またラットに辛味成分のカプサイシンを0.01%含む餌を与えたところ、開始後3日間は餌を食べず、4日目から食べ始めた。そして1週間後カゼイン誘導腹腔好中球を採取し、96穴マイクロケモタキシスチャンバーシステムを用いた簡便測定法により遊走活性亢進を検討した。その結果は予測に反し、激辛餌投与群では対象に比し遊走活性減少が認められた。この激辛餌投与はラットにとってストレスとして作用したものと思われた。南米チリは疫学的に胆嚢がん多発国と言われ、食習慣上トウガラシ摂取があることから、その成因にがん遺伝子/がん抑制遺伝子とともに辛味成分カプサイシンの毒性、変異原性やトウガラシ中のカビなどの環境因子による影響等が注目されているので、毎日激辛料理を食べること、無理矢理激辛料理を食べることは注意すべきことと思われた。本研究におけるビデオ録画ならびにコマ落とし技術法はNHK科学番組部ディレクター神部恭久氏、NIKON社関係各位の皆様にご協力いただいた。本録画ビデオの一部は昨年8月21日にNHKの科学情報番組で放送された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mizuno K, Kunimatsu M: "Uncoupling of biliary lipid from bile acid secretion by formyl-methionyl-leucyl-phenylalanine in the rat" Hepatology. 24. 1224-1229 (1996)
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[Publications] Zhen-Qiu Liu: "Proteolytic processing of Nuclear factor kB by calpain in vitro" FEBS Lett.385. 109-113 (1996)
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[Publications] K, Onizuka, M. Kunimatsu: "Early cytopathic features in rat ischemia model and reconstruction by neural graft" Exp. Neurol.,. 137. 324-332 (1996)