1996 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者からみた家電製品のユーザビリティに関する研究
Project/Area Number |
08878007
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Research Institution | Kure University |
Principal Investigator |
栗川 隆宏 呉大学, 社会情報学部, 講師 (80279091)
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Keywords | 高齢者 / ユーザビリティ / ユーザモデル / 状態遷移図 / 家電製品 |
Research Abstract |
1研究目的 近年、VTR,電話機、洗濯機などさまざまな家電製品においては、高機能化に伴い、操作が複雑になり、「操作方法がわからない」「操作手順を誤る」などユーザビリティに関する問題が発生している。特に高齢者において顕著である。ユーザーは製品の外観、形状などのさまざまな情報を機器から受け取り、過去の経験や知識をもとにユーザー自身のユーザ・モデルを形成するが、ユーザインターフェイスを評価する場合、このユーザ・モデルが重要な役割をもっている。そこで、平成8年度は、ユーザが行ったアクションシーケンスを基に描いた状態遷移図からユーザモデルを抽出する方法について検討を行うこととし、操作経験のない若年者と高齢者からなる被験者を用いて行われたマイコン式炊飯器のユーザビリティテストのデータに状態遷移図法を適用し、その方法の問題点や対策について考察した。 2研究結果 状態遷移図のプロセス順位、頻度の高い不適切な遷移、不適切な状態に着目し、ユーザモデルの分析を行ったところ、アクションシーケンス全体がビジュアルに把握できるため、プロトコル分析に比べ分析が容易であることがわかった。しかし、具体的なモデルの抽出や認知的意味の分析についてはデータの質からみて困難であることがわかった。状態遷移図から問題となるプロセスを発見し、その認知的意味についてはさらにプロトコル分析を行うことが適切であると考えられた。 グループを対象にした場合、プロセス順位の欠落、被験者個々の特性の打ち消し合いなどによりグループ共通のモデルを抽出することが困難となるが、解決策として問題となる箇所の前後の数プロセスに順位を付加して別に分析を行う方法、特性の似た小グループとグル-ピングする方法などが考えられた。
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Research Products
(1 results)