1997 Fiscal Year Annual Research Report
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08878009
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Research Institution | TAMAKI WOMEN'S JUNIOR COLLEGE |
Principal Investigator |
寺田 貴子 玉木女子短期大学, 被服学科, 助教授 (00141804)
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Keywords | 貝紫 / アカニシ / 還元染色 / 建て染め / アクキガイ / パ-プル腺 / ジブロムインジゴ / インジゴ |
Research Abstract |
本年度は,有明海産のアカニシから採取した貝紫の染色性の検討と,長崎県と沖縄県産のアクキガイ科の種々の貝類の色素成分を分析し,以下の成果を得た。 1.アカニシ由来の貝紫の染色性 (1)生貝を用いた直接染色において,色素の抽出溶媒の種類を種々変化させた結果,貝の分泌液を用いた方法が発色性と均染性に優れていた。次いで海水,水,尿の順となり,10%NaOHと10%H_2SO_4では染色性が悪かった。無溶媒の場合は濃色であったが均染性に劣っていた。前年度に行ったエーテルやエタノールを用いた方法と比較すると,発色性はほぼ同等で均染性はエーテルが優れていた。この結果,貝紫の抽出溶媒としてはエーテルが良好であることが分かり,古式手法も染色性に加えて安全性や簡便性に着目するとこれに劣らないことが確認できた。 (2)発色済の貝紫を用いた還元染色(建て染め)において,染料溶解剤(アニノール)を用いると均染性は向上したが染着性はやや低下した。これは,色素の溶解性が高まると同時に脱着性も増すことによると考えられる。 (3)建て染めにおける酸化の方法としては空気酸化よりも水中酸化の場合が発色性と均染性に優れていた。 (4)建て染めにおいて後処理(仕上げ)のソ-ピングと酸通しを行うことにより被染物は赤みを増した。 2.アクキガイ科の貝類の色素成分 15種類の貝の鰓下腺(パ-プル腺)に含まれる色素を液クロ分析した結果,貝はそれぞれ固有の比率で種々の色素を含有しており,貝紫であるジブロムインジゴのほかモノブロムインジゴやインジゴおよびインジルビンが検出された。同種の貝でも生息場所によって成分や比率が異なったがおよそ7割が貝紫を主成分としていた。
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Research Products
(2 results)