1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08878013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 義春 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (60251427)
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Keywords | トレーニング / 身体適応 / 有酸素性作業能力 / 自律神経活動 / 数学モデル |
Research Abstract |
健常な男女大学院6名を対象に、換気性作業閾値でのトレーニングを週5回、3ヶ月間行い、日々の安静時および運動時の呼吸循環系指標から、トレーニングによる適応過程を調査した。トレーニング期間中の測定項目としては、早朝安静時心電図のR-R間隔より安静時心拍数を、その周波数解析より自律神経活動指標を、また安静時心拍数と血圧の変動の相互作用から圧反射のゲインを調べた。またトレーニング強度である換気性作業閾値自体(その測定は最大下運動負荷試験により行われるので疲労の影響は少ない)の日々の変化および最大下運動時の呼吸循環系応答の変化も調査した。コントロール群5名については、トレーニングは行わず同様の測定を3ヶ月継続した。本年度はデータ取得を中心に行い、その一部を解析したところ以下のような知見が得られた。各測定項目の3ヶ月分のデータ、すなわち60点の時系列データを1次回帰モデルにより評価したところ、得られた適応過程のトレンドに個人差がみられ、トレーニングを行っているにもかかわらず、有酸素性作業能力の指標である換気性作業閾値が有意に減少傾向を示す例もみられた。次に、得られた時系列データのうちトレーニング量(その日の運動時心拍数)を入力、トレーニング期間中の各測定項目を出力とした数学的モデル(Morton et al, 1990)を用いて、両者の関係をモデル化した。このモデルは、各測定項目の変化をトレーニングによるプラスの影響とマイナスの影響の2つの拮抗する関数の差とするものであった。その結果、プラスの影響の時定数は6〜86日、マイナスの影響の時定数は3〜86日で、両者の大小関係は被験者によって異なっていた。これらから、1次回帰モデルによる評価で示された適応過程の個人差が、モデルの時定数という数値として評価することが可能であることが示唆された。
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