1996 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ空間の環境経済:生体支援する「水」経営の効果
Project/Area Number |
08878018
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Research Institution | Nishinippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 康 西日本工業大学, 工学部, 助教授 (00183377)
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Keywords | スポーツ経済学 / 産業連関分析 / 医療経済学 / スイミングプール / 水環境 |
Research Abstract |
1.独自の生体環境改善システム(プール水浄化,飲料水浄化,浴用水浄化,オリーブ主成分スキンクリーム等)で難知性皮膚疾患者やプール指導者の生体改善を試みるケースを追跡した.前者(1〜20年間の疾患者8名)では2ヵ月〜1年半で回復したことが観察された.後者では中性脂肪値(健康診断値)で改善したことが観察された. 2.システム参加以前の医療費用および,参加後のシステム参加に関わる費用を産業連関分析で分析した.前者ではその費用減少(症状改善)という効果が生じなかったが,後者では費用減少の効果が示唆された.また前者の産業構造上の波及は,一部の領域(商業,31%:化学最終品,31%:サービス業,12%)に主に限られることが観察された.今日の経済社会では,医療は,直接費用と思われる化学最終品以上に商業,サービス業と関わる産業波及特性を有すると解釈できる.後者の波及でも,商業(16%),サービス業(9%)への波及が見られるが,他に研究部門(8%)等,経済社会全般にわたる波及(金属,18%:産業機械,15%:化学最終13%)が見られることが前者と異なる点である.産業社会においては,特定の産業社会に偏らず,幅広い連関領域を持つことが安定的状態という報告もあり(Pommeroy,1988),その視点から本プログラムは有用な波及構造を持つとも解釈できる.経営戦略で強調される価値連鎖(value Chain)が広がる裾野を持つ状況とも説明できる. 3.このシステムは,現在民間プールで3件,公共プールで1件,病院(整形外科)リハビリ用プールで1件に広がっている.
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[Publications] Sasaki,K.,Harada,M.,Morino,S.: "Economic impact of Theme-park development by input-output analysis." Managing Leisure. 2. 29-38 (1997)
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[Publications] 佐々木康,原田宗彦: "スポーツの経済倫理:産業連関分析から捉える経済便益の価値" 体育の科学. 47(1). 73-76 (1997)