1996 Fiscal Year Annual Research Report
理科実験における予想・考察データベースを用いた既有知識の吟味や再構成の支援
Project/Area Number |
08878023
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin Tsukuba Junior College |
Principal Investigator |
余田 義彦 東京家政学院筑波女子大学短期大学部, 情報処理科, 助教授 (20191653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高藤 清美 東京家政学院筑波女子大学短期大学部, 情報処理科, 助手 (00279556)
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Keywords | データベース / 理科教育 / 実験 / 考察 / 構成主義 / グループウェア |
Research Abstract |
研究の目的 実験活動を通し、児童の概念形成を促していくことは容易でない。誤った既有概念を持っている児童の場合、実験をさせてもなかなか自分の考えを変えようとしないからである。この問題を解決するには、一つの事象に対しても色々な見方や考えができることを、権威づけのない自然な形で気づかせることが必要である。筆者らは、そのための方策として、学校用グループウェアを活用し、実験・観察の前後に予想や考察を子供どうしで交換させ、グループ討論をさせることを考えた。本研究では、予想・考察データベースを用いた構成主義的アプローチによる理科授業のモデル指導案を開発し、研究協力校で試行を行った。そして、その有効性を上述の視点から検証しようとしている。 本年度の研究経過 研究は次の手順で進めた。 (1)指導案の作成(6月〜9月) 小学校高学年で誤概念が問題となりやすい、電気に関する単元を取り上げた。そして、その単元で実験に関する指導案を、授業者となる教師と協力して作成した。その際、構成主義的指導の要件のうち、「一つの事象に対しても色々な見方や考えができることを、権威づけのない自然な形で気づかせる」点に焦点をあてるように留意した。 (2)研究授業の実施(10月) 研究授業は、10年近く筆者らと実践研究を続けてきた実績を持つ二つの研究協力校で行った。そして、実験群の児童には「ネットワーク共有データベースを使った学習方法」、統制群の児童には「従来の一般的な学習方法」で表した方法で学習をさせた。 (3)評価と指導案の改訂(11月〜3月) 誤概念の除去と科学的知識の獲得にどれだけ成功したかという認知的領域での評価に加え、科学的探究に伴う喜びや興奮がどれだけあったかという情意的領域での評価も併せて行っている。そして、これらの結果を比較し、期待どおりの成果があったか、また問題があるとしたらどのような点かを明らかにしようとしている。
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Research Products
(1 results)