1997 Fiscal Year Annual Research Report
理科実験における予想考察データベースを用いた既有概念の吟味や再構成の支援
Project/Area Number |
08878023
|
Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin Tsukuba Junior College |
Principal Investigator |
余田 義彦 東京家政学院筑波女子大学短期大学部, 情報処理科, 助教授 (20191653)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高藤 清美 東京家政学院筑波女子大学短期大学部, 情報処理科, 助手 (00279556)
|
Keywords | 構成主義 / 誤概念 / 理科教育 / ネットワーク / コンピュータ学習 / 実験 / データベース / グループウェア |
Research Abstract |
実験活動を通し、児童の概念形成を促していくことは容易でない。誤った既有概念を持っている児塵の場合、実験をさせてもなかなか自分の考えを変えようとしないからである。この問題を解決するには、一つの事象に対しても色々な見方や考えができることを、権威づけのない自然な形で気づかせることが必要である。筆者らは、そのための方策として、学校用グループウェアを活用し、実験・観察の前後に予想や考察を子供どうしで交換させ、グループ討論をさせることを考えた。本研究では、予想・考察データベースを用いた構成主義的アプローチによる理科授業のモデル指導案を開発し、研究協力校で試行を行なった。そして、その有効性を上述の視点から検証した。 平成9年度は次のことを行った。 (1)指導方略のモデル化と新たな指導案の作成 平成8年度の実施結果をもとに、予想・考察データベースを使用した理科実験の指導方略をモデル化した。そして、物の溶け方の単元で、同じ指導方略に基づく指導案を作成した。この指導案の作成については、授業者となる教師と協力して行った。またその際、構成主義的指導の要件のうち、「一つの事象に対しても色々な見方や考えができることを、権威づけのない自然な形で気づかせる」点に焦点をあてるよう留意した。 (2)研究授業の実施 小学5年物の溶け方の単元の指導案について、研究授業を実施した。 (3)評価 実施結果について、誤概念の除去と科学的知識の獲得にどれだけ成功したかという認知的領域での評価に加え、科学的探究に伴う喜びや興奮がどれだけあったかという情意的領域での評価も併せて行なった。これらの結果は、予想・考察データベースを用いた構成主義的アプローチによる理科授業の有効性を示唆するものであった。
|
Research Products
(1 results)