1997 Fiscal Year Annual Research Report
不完全知識創出のための知識コンバージョンに関する研究
Project/Area Number |
08878048
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場口 登 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30156541)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 剛三 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30294127)
|
Keywords | 知識コンバージョン / 不完全知識 / 例外 / 知識獲得 / 知識洗練化 / 無矛盾性維持 / 非単調理論 |
Research Abstract |
本研究では、不完全な知識を創出するメカニズムである知識コンバージョンKC(Knowledge Conversion)を新しい知識処理フレームワークとして定式化し、その性質を理論的に考究すると共に、KC実現のための要素技術、具体的には矛盾管理、知識の整合性検証、知識の階層化・構造化などをシステム化し、応用面での基盤確立も目的とする。本研究課題に関し本年度に得られた成果を以下にまとめる。 1.不完全知識に対する知識コンバージョンの考察 原ルールの構成とは異なる不完全ルールの生成、あるいは複数の不完全ルールからの洗練化された不完全ルールの生成など、複雑な過程を経て実行されるKCについて検討した。不完全ルールの追加・削除、ルールの不完全化・完全化・ルールの一般化・特殊化という種々の操作を伴う知識ベースの再構成法を定式化し、知識ベースの同質性に関する主要な定理を導いた。また、例外と不完全知識に関する関係についても、例外に対する観点の変更がKCの基礎となることを確かめた。 2.知識コンバージョンと他の知識生成法との関係の解明 知識ネット上でKCと既存の知識生成法である帰納学習や演繹学習との類似点、相違点を解析した。知識ネットの構造変化という点から、帰納学習がノードの新規作製、演繹学習がリンクの再編成、そしてKCがリンクの属性変更に帰着されることを明らかにし、知識ネットに基づく統一的な知識ハンドリング法の確立に向けての手掛かりを得た。 3.実験システムの作成 本研究で提案した手法のインプリメンテーションを行い基本的な特性を評価し、システム化への要点を検討した。現段階では、本研究で検討した全ての手法を実装し、統合システム化は実現していない。今後、統合システムの完成を急ぐとともに、システム構成論の整備を図りたい。
|
-
[Publications] 桂田, 大原, 馬場口, 北橋: "完全・不完全ルールの使用頻度を考慮した知識洗練化" 情報処理学会研究報告. 97-AI-107. 1-8 (1997)
-
[Publications] 桂田, 大原, 馬場口, 北橋: "完全/不完全知識の再構成のための知識コンバージョン" 人工知能学会研究会資料. SIG-FAI-9702-13. 73-78 (1997)
-
[Publications] 小山, 桂田, 大原, 馬場口, 北橋: "完全/不完全ルールの属性変換による矛盾解消のための非対話的手法" 1998年度人工知能学会全国大会論文集. (発表予定). (1998)
-
[Publications] 大原, 馬場口, 北橋: "例外を含む知識を扱う非単調推論システムの構築" 1998年度人工知能学会全国大会論文集. (発表予定). (1998)