1996 Fiscal Year Annual Research Report
トーラス装置における先進的ダイバータ方式(SHC境界)の開発に関する研究
Project/Area Number |
08878067
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
森崎 友宏 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 文部教官助手 (60280591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増崎 貴 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80280593)
鈴木 肇 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20260044)
小森 彰夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50143011)
大薮 修義 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 文部教官教授 (60203949)
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Keywords | ダイバータ / 磁気島 / エルゴディック層 / 周辺プラズマ / Hモード / 放射冷却 |
Research Abstract |
我々は「放射冷却」と「Hモード達成」を同時に実現することが可能な新しいダイバータの概念として,「SHC境界」を考案した.本研究は,SHC境界を実機に適用する前に,粒子や熱の振る舞いを予備実験や計算機シミュレーションを行うことにより,SHC境界のダイバータとしての性能を定量的に評価することを目的としている.本年度は基本原理の確認と基礎的データの収集を行うために,本研究既存の中型ヘリカル装置(CHS)を用いて予備的な実験を行った.以下得られた結果について具体的に述べる. 実験では,SHC境界配位に必要なm/n=1/1の磁気島を16個の外部摂動磁場コイルを用いて印加する.まず,コイルに流す電流値を,真空磁気面を計算する「KMAG」コードを用いて決定する作業を行った.次に,実際のプラズマ実験に先立って,磁気島が理論的に予想される位置に生成しているかどうかの検証を,電子銃と蛍光メッシュを組み合わせた磁気面マッピング法により行った.その結果,計算で予想される位置にm/n=1/1の磁気島が生成していることが確認された.一方,m/n=2/1の磁気島も小さいながら存在していることが明らかになった.これは,コイル形状の不均一さと実験棟建屋の磁性体による不正磁場のために,m/n=1/1のトロイダルカップリングで生じるm/n=2/1の磁気島のキャンセルが,完全に行われなかったためであると考えられる.コイルに流す電流の大きさおよび向きを変化させることにより,磁気島の幅およびフェイズを制御可能であることも確認された. マッピング実験後に行ったNBIプラズマによる実験では,磁気島を印加すると電子密度の減少に伴う電子温度の上昇が起こること等,初期的な結果を得た.次年度以降も,シミュレーションコードの整備と平行して更に解析を進めて行く計画である.
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[Publications] 森崎友宏: "Experimental Study of Edge Plasma Structure in Various Discharges on Compact Helical System" Research Report NIFS Series. NIFS-437. 1-13 (1996)
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[Publications] 大薮修義: "ADVANCED DIVERTOR CONCEPTS" Fusion Technology. 30,Dec.699-705 (1996)