1997 Fiscal Year Annual Research Report
トーラス装置における先進的ダイバータ方式(SHC境界)の開発に関する研究
Project/Area Number |
08878067
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
森崎 友宏 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60280591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増崎 貴 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80280593)
鈴木 肇 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20260044)
小森 彰夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50143011)
大藪 修義 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60203949)
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Keywords | ダイバータ / 放射冷却 / Hモード / モンテカルロ法 / 磁気島 |
Research Abstract |
新しいダイバータの概念として考案された「SHC境界」は,これまでの伝統的なダイバータでは両立させることが難しいと考えられてきた「放射冷却」と「Hモード放電」を,同時に達成することが可能な磁場配位である.本研究はSHC境界配位における粒子や熱の振る舞いを,予備実験や計算機シミュレーションを通して明らかにし,実機に適用する前にその性能を定量的に評価することを目的としている. 昨年度までに行われた,本研究所の中型ヘリカル装置(CHS)を用いた予備実験で,粒子リサイクリングにトロイダル方向の非対称性が存在することが明らかになっている.この実験結果を解釈するために,本年度は計算機シミュレーションによる解析を行うべく,コードの開発を精力的に行った.以下,コードの概要と得られた結果について具体的に述べる.本コードは,拡散により閉じ込め領域から漏出する粒子の挙動を模擬するモンテカルロコードで,真空中の磁力線トレースコードをベースに開発したものである.ここでは,衝突による粒子の散逸方向は完全にランダムで,拡散係数は粒子の平均自由行程に反比例し,散逸量に比例するという条件を仮定している.SHC境界は,閉じた磁気面の周囲にm/n=1/1の磁気島を印加することにより形成される.そこで,磁気島の内側に存在する最外殻磁気面上に粒子源を均一に分布させ,ダイバータ板(真空容器壁)に到達する粒子を計数することにより,SHC境界における粒子束のトロイダル方向分布,ポロイダル方向分布を得ることができる.以上の手法を用いてシミュレーションを行うと,粒子束分布にトロイダル/ポロイダル方向の非対称性が現れた.これはCHSにおける実験結果と定性的に一致する。 次年度は,完成直後のLHDにおいて実験を行い,これまでの研究を総括する予定である.
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[Publications] 森崎友宏: "Experimental study of edge plasma structure in various discharges on compact helical system" Journal of Nuclear Materials. 241-243. 977-981 (1997)
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[Publications] 大藪修義: "Advanced Divertor Concepts for Helical Devices" Contributions to Plasma Physics. (発表予定).