1996 Fiscal Year Annual Research Report
末端酸化酵素を用いた膜エネルギー変換機構の可視化による解析
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08878097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
茂木 立志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90219965)
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Keywords | 末端酸化酵素 / エネルギー変換 / 生体膜 / 分子プローブ / プロトンポンプ / 可視化 / 分光学 / 時間分解 |
Research Abstract |
遺伝子操作と大量調製が容易な大腸菌キノール酸化酵素を末端酸化酵素のモデル系として、酸化還元共役プロトンポンプ機構の研究を進め、以下の成果を得た。1)ナノ計測系の構築:プロトンと電子の輸送経路の同定、輸送経路の微細構造とイオンの動態の解明を目的として、酵素分子表面に導入したアンカーに分子プローブ(pHプローブや光励起性電子供与基)を結合させ、プロトン輸送や電子移動の反応素過程を高時間分解能で解析するためのナノ計測系を構築した。サブμ秒分解能の時間分解分光システムを完成させ、また、サブユニットI-IVのCys残基を全てSerに置換したCys-free酵素を材料としてチャネル出入り口の予想部位や金属中心近傍にCys残基の導入を行った。2)酵素複合体の構造:サブユニットIVの置換変異と復帰変異の解析、架橋実験から、本酵素の構造は土壌細菌のチトクロムc酸化酵素に類似していることを明らかにした。また、6Åの反射を示す結晶を得、現在、構造決定のための条件検討を進めている。3)基質酸化部位の構造と機能:大腸菌酵素は、基質の酸化還元に伴って放出・消費されるプロトンのためのチャネルを備えている。キノール酸化部位(Q_L)の構造を明らかにするため、系統的に合成したユビキノン誘導体を用いて置換基の効果を検討した。Q_L部位は2-メトキシ基と5-メチル基の認識部位に立体的な制約を持ち、6-イソプレニル基は結合親和性の増加に関与することを見い出した。一方、高親和性キノン結合部位(Q_H)は、Q_Lとは異なる結合特性を持つことを示した。好気的増殖を抑制するキノンアナログの耐性変異株を取得し、その解析を行った。以上の研究から、サブユニットIIのQ_Lで2電子酸化が起こり、Q_HはサブユニットIの低スピンヘムに逐次的に1電子伝達を行うのみならず、電子リザーバーとして電子移動を調節することが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Tsubaki, T.Mogi, H.Hori, M.Sato-Watanabe, and Y.Anraku: "FT-IR and EPR studies on cyanide-bindings to the heme-copper binuclear center of cytochrome bo-type ubiquinol oxidase from Escherichia coli : Release of CuB-cyano complex in the partially reduced states." J.Biol.Chem.271. 4017-4022 (1996)
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[Publications] H.Hori, M.Tsubaki, T.Mogi, and Y.Anraku: "EPR and NO complex of bd-type ubiquinol oxidase from Escherichia coli. The proximal ligand of heme d is a nitrogenous amino acid residue." J.Biol.Chem.271. 9254-9258 (1996)
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[Publications] K.Saiki, T.Mogi, and Y.Anraku: "Probing a role of subunit IV of the Escherichia coli bo-type ubiquinol oxidase by deletion and cross-linking analyses." J.Biol.Chem.271. 15336-15340 (1996)
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[Publications] K.Sakamoto, H.Miyoshi, K.Takegami, T.Mogi, Y.Anraku, and H.Iwamura: "Probing substrate binding site of the Escherichia coli quinol oxidases using synthetic ubiquinol analogues based upon their electron-donating efficiency." J.Biol.Chem.271. 29897-29902 (1996)