1997 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母を用いた、細胞機能の系統的解析システムの開発研究
Project/Area Number |
08878131
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
藤山 秋佐夫 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (60142311)
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Keywords | ゲノム / 分裂酵母 / 遺伝子発現 / ras / DNAライブラリ |
Research Abstract |
平成9年度研究実施結果:本研究の目的とするところは、分裂酵母のあらゆる変異を網羅する変異体ライブラリを用い、細胞機能をゲノム的に明らかにすることである。しかし、分裂酵母の全ゲノム配列が2〜3年中に決定される事態を鑑み、まず正常細胞の全ゲノムDNAライブラリを用いた解析を先行させるべく、当初計画に若干の変更を加えた。すなわち、前年度に作成した高密度メンブレン化した単一遺伝子ライブラリを重点的に用いた発現ヒエラルキー解析である。まず、富栄養培地と合成培地の各々から増殖期にある酵母細胞を集め、poly(A)+mRNAを抽出精製した。全ゲノムDNAライブラリにはrRNAなど大量に発現される遺伝子から、極微量にしか発現されないもの、また、構成的に発現される遺伝子や条件依存的に発現される遺伝子をコードするクローンが含まれるが、上記2種類の精製mRNAを用い、発現レベルの違いに応じて系統的に分離したサブライブラリを構築した。このようなライブまた、シグナル伝達系のモデルとしてラリを準備することにより、ディファレンシャルに発現される全遺伝子をスクリーニングすることが可能になると同時に、各種の条件下を通じて共通に発現される遺伝子群をハウスキーピング遺伝子として正確に定義付け、それらの構造を明らかにすることができる。本年度の研究では上記2条件で共通に発現されるクローン群を選別し、そのうち100クローンについて部分配列の決定と相同性検索による性状解析を行った。さらに、細胞内情報伝達に関与するras1遺伝子に依存的に発現される遺伝子群のスクリーニングを行い、ras1依存的に発現する複数の新規遺伝子を単離した。
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