1996 Fiscal Year Annual Research Report
室傍核と視交叉上核ニューロンとの共培養によるCRH概日リズム発現機構の解析
Project/Area Number |
08878150
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
勝野 由美子 北海道大学, 医学部, 助手 (80177419)
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Keywords | 室傍核(PVN) / 視交叉上核(SCN) / 共培養 / サーカディアンリズム / バソプレッソン(AVP) / CRH / VIP |
Research Abstract |
新生ラットから得られた室傍核(PVN)の単層培養系を用い、視交叉上核(SCN)との共培養を行うことにより、室傍核に於けるCRHの合成・分泌に対する視交叉上核生物時計の作用機構を明らかにする目的で、以下の実験を行った。 方法:12時間明、12時間暗の条件下で繁殖飼育したWistar系ラットの生後2-3日目の仔ラットの脳を低温麻酔下で取り出し、700μmの視床下部前額断片を作成した。実体顕微鏡下で両側PVN及びSCNを切り出し、15-18匹分の神経核をトリプシン液で37℃、5分間インキュベート後、Tripsin Inhibitor, DNase液に置換後、約10回ピペッティングして細胞を分離した。細胞浮遊液を#200ステンレスメッシュで濾過し、遠心後10^6cell/mlとなるようにDulbecco modified Eagle液に浮遊した。PVN, SCNの共培養は両核を混合してトリプシン処理した。サンプリングは培養1週間目に2時間毎48時間培地を交換し、培養液の全量(500μl)を採取した。サンプルは0.1N塩酸酸性にし、100℃、10加熱後遠心乾燥し、ペプチド測定まで冷蔵保存した。ペプチドの測定は、CRH、バソプレッソン(AVP)、VIPをRIA法で行った。 結果:SCN単独培養系に於いて、AVP、VIPの放出量には約60%のwellで有意(p<0.01)なサーカディアンリズムがみられた。しかし、CRH放出量には全例で有意なリズムはみられなかった。PVN単独培養系では、AVP放出量に約30%のwellで、またCRH放出量には約10%のwellで有意(p<0.01)なサーカディアンリズムがみられた。CRH放出リズムの発現はPVN単独培養に比べ共培養で有意(p<0.05)に高かった。
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