1997 Fiscal Year Annual Research Report
感覚受容とその記憶の分子機構解明のためのモデル動物としての魚類実験系の確立
Project/Area Number |
08878152
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎森 康文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60160389)
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Keywords | 化学受容 / 嗅覚 / 味覚 / 受容体 / 細胞内シグナル伝達系 / 神経 |
Research Abstract |
外界情報の受容と神経伝達、そして、その記憶という過程、高次脳神経機能の重要な基本過程である。この分子機構の解明には、本質的には分子レベルでの研究がその要素として必要であり、本研究では、脳神経系の基本構造が哺乳類と同等な魚類を対象として、嗅覚・味覚という環境化学情報の受容と中枢への伝達と記憶、さらに行動などの高次機能に反映される過程を研究する実験系の確立を行った。本年度は、(1)魚類(メダカ、フグ、ドジョウ、ゼブラフィッシュ)の嗅覚・味覚受容体遺伝子に関して、昨年度においてPCR法によって遺伝子断片を得たものについて、全長の遺伝子を本年度作製した遺伝子ライブラリーより単離し、その構造を解析した。(2)単離した遺伝子の発現様式を、ジゴキシゲニン標識アンチセンスRNAをプローブにしたin situハイブリダイゼーション法によって解析して、各受容体がどの化学受容器官のどの細胞で発現するかを明らかにした。(3)単離した遺伝子にコードされる受容体タンパク質をアフリカツメガエル卵母細胞に発現させ、アミノ酸などの予想されるリガンドとの対応を明らかにする実験系を組み立てた。この点に関しては、こうした化学受容体が異細胞では機能的に細胞膜上に発現しないことが判明したため、細胞膜局在化シグナルを付加して機能解析を行っている。(4)嗅覚・味覚受容の細胞内シグナル伝達を担う各種のGタンパク質やシグナルの放出に関わるシナプトタグミンのcDNA断片をRT-PCR法で単離・同定した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tadashi Suzuki(et al): "Site-specific de-N-glycosylation of diglycosylated ovalbumin in hen oviduct by endogenous peptide:N-glycanase as a quality control system for newly synthesized proteins:" Proc.Natl.Acad.Sci.USA.94巻. 6244-6249 (1997)
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[Publications] Takumi Misaka(et al.): "Taste buds have a cyclic nucleotide-activated channel,CNGgust" J.Bilo.Chem. 272巻. 22623-22629 (1997)
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[Publications] Susumu Amano(et al.): "Identification of endogenous substrates for Drosophila calpain from a salt-extracted fraction of Drosophila" J.Biochem.122巻. 865-871 (1997)
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[Publications] 榎森康文: "カルパイン-ショウジョウバエでの解析" 蛋白質・核酸・酵素. 42巻. 2175-2180 (1997)
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[Publications] 榎森康文: "魚類のGタンパク質共役受容体-化学受容と神経伝達-" 海洋. 30巻. 90-95 (1998)
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[Publications] Y.Homma & Y.Emori: "Purification and assay of PLC-δ in Signalling by Inositides" IRL Press, 229(17) (1997)
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[Publications] 榎森康文: "遺伝情報の成り立ちと機能 in 生化学(鈴木紘一編)" (株)東京化学同人, 232(41) (1997)