1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08878155
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
弓場 俊輔 大阪大学, 医学部, 助手 (40263248)
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Keywords | 記憶 / ゼブラフィッシュ / GFP |
Research Abstract |
活動する神経細胞、すなわち膜脱分極によってその発現が誘導される最初期遺伝子のうち、c-fos、junB、zif268、nur77のプロモーターの下流にレポーター遺伝子を繋いだベクターを構築し、これを導入したトランスジェニックゼブラフィッシュに対して学習実験を行い、記憶の形成された個体の脳についてレポーター遺伝子の発現を指標に記憶制御部位のマッピングを行うことを目指している。 まず、活動する神経細胞の形態をモニターするためのレポーター遺伝子としてそのニューロンの細胞体のみならず神経突起までを含む形態の解析を目的として神経突起の微小管に結合する蛋白、tauに注目した。ウシ由来のtauの全長およびtauのうち微小管に結合するドメインの部分(tauBD)をそれぞれオワンクラゲ由来の発光蛋白、Green Fluorescent Protein(GFP)のコドンをヒト型にして蛍光強度を高めたEnhanced GFP(EGFP)に融合遺伝子として繋いだレポーター、tau-EGFPおよびtauBD-EGFPを構築した。さらにtau-EGFPおよびtauBD-EGFPには発現量を高めるためにリボゾーム結合配列であるKozakのコンセンサス配列を導入した。予備実験としてマウスのヒートショック蛋白68のプロモーターをこれらのレポーターの上流に繋いだコンストラクトを構築、これをゼブラフィッシュ受精卵にマイクロインジェクションした後、熱ショックを加えることでレポーター遺伝子の発現を誘導し、24時間胚の初期神経回路を形成する単一のニューロン全体の形態をトレーサーを用いずに観察している。また、突起を伸長しつつある神経細胞の微細な形態を観察するのにtauBD-EGFPがレポーターとして非常に有効であることをその遺伝子の一過性の発現によって証明した。現在、c-fosをはじめとするゼブラフィッシュ由来の最初期遺伝子のクローニングの準備を進めているところである。
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