1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08878162
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
近藤 壽彦 群馬大学, 生体調節研究所, 講師 (10162108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 豊彦 群馬大学, 医学部, 助教授 (90060508)
|
Keywords | 実験動物 / 遺伝子純度 / 純系度 |
Research Abstract |
1.新たに定義された遺伝子純度(Purity of gene,P_g)及び純系度(Purity of strain,P_s)の理論的根拠を明確にした。異なる割合でヘテロザイガス遺伝子、ホモザイガス遺伝子を含んだ仮想動物、純系種に一定頻度で突然変異を生じた場合のN世代動物、純系度が極端に異なる動物間のF_1動物等、様々なケースを想定して、遺伝子純度及び純系度の値を数値解析的に比較検討した。その結果、本法によって求められる数値は、DNAレベルでは完璧と言えるが、遺伝子レベルとは、若干の相違を生じる可能性のあることが分かってきた。現在、(1)遺伝子の種類、(2)遺伝子のコピー数、(3)遺伝子のサイズ、(4)発現遺伝子であるか疑似遺伝子であるか、(5)顕性遺伝子であるか非顕性であるか等、より詳細な項目をも含めて検討中である。 2.制限酵素切断反応、S_1-ヌクレアーゼ切断反応、リガーゼ連結反応などの至適条件を探索し、ヘテロザイガス遺伝子の特異的標識方法を確立した。先ず(1)種々のマウスからDNAを調製し、MboIによって断片化した後、(2)その両末端に、FITC標識MboIリンカー(一方に、5'末端が燐酸化されたMboI認識末端をもち、他方に、5'末端がFITC標識された平滑末端をもつ)を連結させた。そして、(3)熱変性後、ハイブリッド形成反応を行った。更に、(4)S_1-ヌクレアーゼで切断後、(5)ロ-ダミン標識MboIリンカー(一方に5'末端がOH基の平滑末端をもち、他方に、5'末端がロ-ダミンで標識された平滑末端をもつ)を連結させた。最後に、(6)エタノール沈殿操作によってDNA断片を回収後、TEに溶解し、2種の蛍光強度を夫々測定した。予め、夫々のリンカーの比蛍光強度を求めておき、蛍光強度と断片数との関係を測定しておけば、FITCの蛍光強度から全DNA断片数N_tが、また、ロ-ダミンの蛍光強度を2倍して、ヘテロザイガスDNA断片数N_hが求められる。遺伝子純度が高いと考えられるBalb/cマウスとDBAマウス、そして、それらのマウスの雑種第1代CDF_1とで比較した結果、概ね予測値に近い値が得られた。今後、更に測定例、実験動物の種類を増やし、本解析法を確固たるものとしたい。
|