1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08878172
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池内 健 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (30026223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 直秀 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (50263140)
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Keywords | 医療用ロボット / 体内ロボット / 低侵襲医療 / 内視鏡 / 人工粘液 / 超音波アクチュエータ |
Research Abstract |
圧電セラミックの表面に進行波を生じさせて駆動力を調べた結果,接触圧力が低く,相手面が固くて平滑な場合には駆動力は最大静止摩擦力とほぼ等しかったが,相手面が柔らかいとき及び両面間に液体が存在するときにはほとんど駆動力が生じなかった.超音波モータは小型で高い駆動力を得られるので体内で医療機器を動かすのに適している反面,生体組織との間に直接せん断力を生じさせて機器を駆動することは困難であると結論した. らせん状のリブを加工した円筒を回転させ,粘液を利用して医療機器を駆動する機構を開発した.流体潤滑理論によって駆動力を最大にするリブの形状と基礎的な設計法を明らかにした.拡大モデルを用いる実験によって粘液の流動機構を詳細に調べ,端部に発生する渦が効率低下の原因となることを明らかにした.以上より,駆動効率を高めるためには,リブを高くするとともに,スパンを小さくする必要があるとの結論を得た.小型の体内ロボットを試作して透明な円筒内で推進させ,移動速度を測定した.粘液の質と量が十分でないときに用いる人工粘液の候補として各種の液体の流動特性を調べた結果,シリコーン油及び麦芽糖水和液が駆動に適した特性を有していることがわかった. 傾斜すき間における流体くさび効果による潤滑膜の形成の方向依存性を利用し,エラストマーを用いる実験において,すべり方向によって摩擦が著しく異なることを確かめた.この原理を利用して,2個のエラストマー製リングの間隔を周期的に変える'尺取虫'機構を開発し,発生した駆動力と移動速度を測定した.
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