2008 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける新しい博物館の誕生:在来実践と世界水準を融合させた文化遺産の保全
Project/Area Number |
08F08006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
重田 眞義 Kyoto University, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ベル アサンテ 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 博物館 / 住民参加 / 文化遺産 / アフリカ / エチオピア |
Research Abstract |
計画の初年度にあたる2008年度は、研究分担者(特別研究員)が2008年3月に提出した博士論文においてまとめたエチオピアのハラールにおける5つの博物館活動の役割を、住民参加の程度によって再分類したうえで、東北部アフリカからひろく世界の博物館の事例と比較しながらグローバルな文脈に位置づけて、事例の分析をおこなった。同時に、これまでにエチオピア各地の博物館に関して集積してきたフィールドワークによる実証的資料とのつきあわせをおこなっていく作業を実施した。その成果の一部は、論文としてまとめて投稿した。また、在来知研究会関係知ユニット・コミュニティーコンサベーション班研究例会、日本ナイル・エチオピア学会(弘前:4月、発表題目「Linking centralized politics to custodianship of cultural heritage in Ethiopia's national-level museums」)、および英国で開催される物質文化研究学会(12月)で発表をおこなった。また、9月から約1週間、分担者と共にハラール地域を再訪問し、現地で博物館活動の変遷に関する追跡調査と、フィールドワーク資料の補筆をおこない、2006年の世界文化遺産指定後の住民参加や行政の博物館に対する関与の実態の変化に関する調査を実施した。分担者の受け入れ先である京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科においては、在来知研究グループを主催する受け入れ研究者(研究代表者)と協力してアフリカにおける文化遺産保全に関する研究フォーラムを立ち上げ、研究会を2回開催した。9月17-18日には、ハラールにおいて京都大学エチオピア・フィールド・ステーション(ハラール市、アジスアベバ大学エチオピア研究所、グローバルCOEと共催)国際シンポジウム「Preserving indigenous knowledge in the Horn of Africa:Challenges and prospects for collaborative research in oral literature, music and ritual practices」に組織責任者として参加し発表をおこなった。その成果は、分担者と代表者が編者となってAfrican Study Monographsの特別号として編集中である。また、これらと並行してこれまでの成果をまとめた単著(仮題:Community Engagement in Cultural Heritage Management:Case Studies of Museums in Harar and Addis Ababa, Ethiopia)の出版準備をすすめた。
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