2008 Fiscal Year Annual Research Report
日中の地方自治実質化のための政策法務に関する総合的比較研究
Project/Area Number |
08F08008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木佐 茂男 Kyushu University, 大学院・法学研究院, 教授 (30122039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HONG YING 九州大学, 大学院・法学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 地方自治 / 地方分権 / 政策法務 / 自治立法権 / 自治条例 / 公務員法教育研究 |
Research Abstract |
2008年度には、主に、研究テーマに関する資料収集、実態調査、文献の整理などを行い、その上、調査報告・論文などを中国の学術誌に発表した。 1、研究の基礎になる、地方自治に関する基本的な原理理論の補強を目的とし、憲政の視点から、民主主義と人権尊重の理念の実現を目指す地方自治の実質化に関する日本における資料を収集したうえ、網羅的に通読し、読書メモなどの形に整理した。 2、中国の地方自治・地方分権改革に関する最新文献、資料の収集を行い、地方自治研究に関する最新動向を把握し、比較研究の基礎を築いた。 3、中日における地方自治の実施現状を把握するため、実態調査を行った。(1)中国で自治条例の制定が一番早い吉林省延辺朝鮮族自治州に行き、自治立法権の運用・実態について、調査し、資料収集を行った。(2)日本では、九州自治体法務研究会への参加などを通し、自治体公務員との交流及び研究会での自治基本条例の制定過程などの報告を通し、自治基本条例の制定状況等の実態の把握がある程度できた。 4、真の法治国家的地方自治の実現へのアプローチとして、政策法務が重要視されている。政策法務の重要な一環である公務員の「法務教育」について、現地での調査などを通して、「中日地方公務員の法教育研修に関する比較」という論文を『中国司法』(第105期、2008年9月)にて発表した。 5、政策法務を実施するため、公務員の法的素質と法に基づく行政のレベル並びに政策法務能力が問われている。中国の公務員の法的意識・素養に関するアンケート調査を踏まえ、「中国における社会変革と公務員の法意識-公務員の法意識に関するアンケート調査の分析を中心に」という論文を中国の学術誌『河南省政法幹部管理学院学報』(2009年2月号)にて発表した。 6、研究テーマに関連する中国の学者の論文を翻訳し、『自治研究』(第84巻第2・5・7号)に掲載。
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