2008 Fiscal Year Annual Research Report
培養神経回路のための刺激用光アドレス電極と計測用電極アレイの統合インターフェース
Project/Area Number |
08F08061
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 宏知 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 講師
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAKKUM Douglas 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | 神経細胞 / 初代培養 / チャネルロドプシン / 微小電極アレイ / トランスフェクション / リポフェクション / カルシウムイメージング |
Research Abstract |
本研究は,培養神経同路を実験対象とし,同回路の神経活動の計測時間分解能と刺激空間分解能の両立を実現することを目的とする.光感受性イオン透過イオンチャネルであるチャネルロドプシン2(Channelrhodopsin-2;ChR2)を細胞膜に発現させると,細胞は,青色光照射により,約1msという極めて短時間で脱分極する.本年度は,ChR2を培養神経回路に遺伝子工学的手法で発現させるために,簡易なトランスフェクションの方法を探索した.その結果,EF1αをプロモータ,ChR2に蛍光ラベルを施したChR2-EYFPを発現タンパクとしたDNAプラスミド(pEF-ChR2-EYFP)を作成し,それをリポフェクション法で発現させたときに,最も発現効率が高かった.この条件下でのChR2の発現細胞数は,4mm^2あたり32個であり,これはプレーティングの細胞数に対して0.9%である.この条件でトランスフェクションした培養神経回路にカルシウムイメージングを行ったところ,青色レーザー光の照射下で,EYFPの蛍光部位に選択的なカルシウム応答を確かめた.また,MEA上でChR2を発現させた神経細胞を培養し,レーザー光を照射したところ,神経回路全体の発火数の増加が認められた.光照射下での毎秒あたりの発火数は非照射下の発火数の約4倍だった.本研究で開発した手法は,個々の神経細胞への刺激や特定の細胞群への複雑なパターン刺激に適している.また,培養神経回路の活動を計測するために,微小電極アレイとも容易に組み合わせられることから,培養神経回路の自己組織的形成過程や,機能化誘導を試みる手法として,有望である.また,本手法は特別な設備が不要なうえ,極めて簡易な操作で行えることにも利点がある.
|
Research Products
(1 results)