2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08091
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
浅見 崇比呂 Shinshu University, 理学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Xuelian 信州大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 左右性 / 純化淘汰 / 頻度依存淘汰 / モノアラガイ / らせん卵割 / 遺伝率 |
Research Abstract |
1.タケノコモノアラガイは、右巻と左巻の交尾が可能な同時雌雄同体である。右巻遺伝子のホモ接合体DDと左巻遺伝子のホモ接合体ddを交雑し、Ddを得た。左右極性は母親の核遺伝子型が決定する。ゆえに、ddが産むDdは左巻に、DDが産むDdは右巻になる。これにより、両親の核ゲノムを共有し、巻型の遺伝子型も同一のDdでありながら、左右反対に発生する個体を得ることに成功した。これらのモデル系を用いて、照射光式の高倍率実体顕微鏡を用い、卵殻から胚を出さずに、卵殻の外から胚を経時撮影し、螺旋度と以降の形態変化を個体ごとにデジタル計測を実施した。これらの計測結果を統計解析することにより、形を決定するポリジーンを含む核ゲノムにおいて平均して異ならない右巻と左巻のきょうだい個体の間で有意な差異があることを検出した。2.昨年度に螺旋度を計測した個体ごとに孵化・成長・産卵率、殻の形を計測した。実験集団を用いた予備研究から、左右二型が鏡像対称からは統計的に異なる形に成長することが明らかである。これらの生活史形質を決定するポリジーンを含む核ゲノムにおいて平均して異ならない右巻と左巻のきょうだい個体の間で有意な差異があることを検出した。3.右巻の発生と螺旋度の個体変異に対しては、自然集団において長期的に純化淘汰が作用しているため、相加遺伝分散が相対的に枯渇している状態である可能性が高い。その場合、たとえ右巻の螺旋度に個体変異があっても、それと生存率との相関は統計的に有意ではない可能性が高い。実際にその通りであることを検証した。
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