2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08384
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 進 Kyoto University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SONG Bongshik 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | フォトニック結晶 / ワイドバンドギャップ半導体 / SiC / 可視光 / FDTD法 / 電子ビーム描画 / プラズマエッチング |
Research Abstract |
ワイドバンドギャップ半導体材料フォトニック結晶は赤外光のみならず可視光に対しても透明であるため,可視光領域を含めた広い波長帯域で動作する超小型可視光デバイスが期待できる.本研究ではワイドバンドギャップ半導体材料中で,SiCという材料に着目した.SiCはSiの約3倍程度の広いバンドギャップをもつ材料であり、機械的に丈夫かつ化学的にも安定な性質をもつため,可視光領域において安定したデバイスの動作が期待できる.しかし,このような新規の材料を用いたフォトニック結晶の研究は全くなく,フォトニック結晶スラブ構造の設計や作製技術の検討から始める必要がある。本年度では可視光領域2次元フォトニック結晶の設計や作製を行った.まず、3次元時間領域有限差分法(FDTD法)を用いてSiCフォトニック結晶スラブ構造のハンドギャップを計算したところ,0.34〜0.4[c/a]周波数帯域におけるフォトニックハンドギャップが開くことが分かった.さらに線欠陥導波路や点欠陥共振器を導入することでバンドギャップ内に伝播モードや共振モードが形成できた.また,2次元SiCフォトニック結晶スラブ構造の作製に取り組み、電子ビーム描画やプラズマエッチングなどにより半径70nmという極めて小さい空気孔をもつSiCフォトニック結晶スラブ構造の作製に成功した.作製したSiCフォトニック結晶導波路の端面に白色光を入射し,共振器からのドロップ光を観察したところ,Siでは吸収する波長領域780nm付近で共撰スペクトルが得られた.これは可視光領域に対して透明なSiCの特長を反映したものであり、さらに微細な試料を作製すると500〜600nm波長帯域におけるSiCフォトニック結晶の実現が期待できる.
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